学資保険の悲しい請求に思う
生保レディの仕事を辞めてから、もう10年。私は今、生命保険会社で事務の仕事をしています。セールスレディさんたちが、お客様のところから預かってくる、いろいろなお手続きの書類を点検するのが主なお仕事。

一言で生命保険と言っても、いろんな機能があります。本来の目的である死亡保障の他に、病気をしたときの医療保障、貯蓄性の高い商品なら、一時的にお金を借りたり、満期までとっておいて預金代わりにしたり、老後に備えたり。

例えば学資保険も、貯蓄性が高くて、子どもの成長に応じてお金を受け取れる便利な商品。今は予定利率も低く、お金を増やすためと言うよりは、お守り代わりに加入する人が多いですね。

毎年、2月ごろになると、満期を迎える学資保険が多いので、私の勤務先でも、学資保険の満期金の請求書をたくさん取り扱います。子どもが無事成長し、大学入学などに備え、まとまったお金を受け取れて、めでたしめでたし。

・・・なのですが、つい先月、8月だったかな・・・この学資保険の請求がありました。なんでこんな時期に?解約?

それは、思いがけない請求でした。満期でも解約でもなく・・・死亡保険金の請求だったのです。それも、契約者(=親)ではなく、被保険者(=子ども)の。

まだ、中学生の男の子でした。自転車走行中に、トラックと衝突しての、事故死。事故の状況を記す書類や、死亡診断書など目にすると、人の命がどれだけあっけないものなのか・・・生々しく伝わりました。

元気いっぱいの、これからが楽しみの中学生。10年以上、大切に育ててきた息子を、一瞬の事故で失ったお父さん、どんなにつらい気持ちで、この書類を書いたのか・・・それを思うと、思わず涙ぐんでしまいました。

これがもし、契約者(=親)の死亡であれば、残された家族には、その後の生活を支える死亡保険金が出ます。受け取る家族は、辛くても、そのお金が生きる支えとなります。

でも、被保険者(=子ども)の死亡の場合は、今までに支払った保険料相当分の金額が戻ってくる程度・・・
(注:保険会社によって一時金が出る場合もあります)

この手続きを取り扱ったセールスレディの方も、葬儀に参列し、ご両親にかける言葉も見つからず・・・涙が止まらなかったそう。何の意味も無い、ただの事務手続きをとることしか、彼女にはできなかったのです。

末の子どもが小学生になり、長い夏休みの間、毎日3人分のお弁当を用意したり、遊びに連れて行ったりするのが大変だなんて、それがどんなに、幸せなことなのか、忙しい毎日の中、私たちはなかなか気づけないでいます。

今この一瞬が、子どもと過ごせる貴重な時間であることを、決して忘れないように・・・そう思ったできごとでした。



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2012.09.08 Saturday
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