保険の本当の意味
生保のセールスレディって、現在20万人とも30万人とも言われるくらいたくさんいますが、もともと、戦争で夫を失った未亡人のための仕事だったらしいです。

夫を失って、戦後の貧しい時代、きっと生活は大変だったのでしょう。彼女たちはきっと、必至に保険を販売したんだと思います。何しろ、実際に夫を亡くしているのだから、保険の大切さ、必要性など、すごく説得力があったはず。

そうやって、生命保険は売れ、保険会社も大きくなり、時がたって、日本も豊かな時代になりました。ここ数年は、若い新卒の女性が保険を販売するのが珍しくなくなりました。そういう私もその一人でした。大学を出て、初めて就いた仕事が保険の営業。

親元で、何の苦労もせず、ぬくぬくとした生活を送りながら、仕事をしていました。研修をいっぱい受けて、勉強して、知識をいっぱいつけて、資格もとって、自分は保険のプロ、だと思っていました。いろんな方に保険を勧めて、契約も、いっぱいもらいました。

でも、一番大事なことを、まだわかっていませんでした。知識だけはいっぱいあっても、保険の本当の意味は、わかっていなかったんですね。

今、結婚して、主婦となり、子供を授かって初めて、それがわかったような気がします。誰かに生活を支えてもらっているということ、誰かが家族のために働いた大事なお金で、毎月やりくりして、保険料を支払うということ。だからこそ、保険の意味を、しっかり考えずにはいられない。

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保険は数字だけじゃない。理論だけじゃない。保険証券という一枚の書類の向こうにある、家族への思い。命について本当に考えて、家族のことを本当に思って、その思いを託すのが、生命保険なんだなあって。





昔、戦災未亡人たちが必至の思いで販売してきた生命保険。シェア争いとか、新商品開発に必至になっている保険会社に、その頃の気持ちを大事に持っていてほしいなあと思う、今日この頃です。



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2011.07.17 Sunday
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庶民派FP
最近は、新聞やテレビで、FP(ファイナンシャルプランナー)という言葉を聞くのが珍しいことではなくなりました。ここ数年、人気が高まっている資格です。

どういうものかというと、「日本FP協会」というところが作った資格で、FPとCFPの二種類があります。保険会社でなくても、銀行や証券会社などで働く人であれば、AFPを社内で取得するよう勧められ、持っている人も多い資格。私もセールスレディ時代に取得しました。

CFPは、それよりも格段に難しく、6科目あって、それらすべてに合格して初めて得られる資格。ここまで専門知識を見につけられると、FPとして独立する方も多いようです。

他には、国家資格としてファイナンシャルプランニング技能士という資格もあります。上記のAFP、CFPは民間資格なので、資格を維持するのに年会費がかかったり、試験を受けたりして単位を取る必要がありますが、国家資格のFP技能士は合格してしまえばずっと有効です。

illust3473thumb.gifさてさて、じゃあFPとは一体なんだ、ということになりますが、簡単に言うと、お金のホームドクターというところでしょうか。税金、不動産、相続、資産運用、生命保険や損害保険、年金や健康保険などの社会保障に関して、ある一定の知識を持ち、しっかりした倫理観のもと、適格にアドバイスをできる人。です。

私は生命保険の営業を経てFPの資格を得たので、生命保険のことには詳しいつもりです。同じように、証券会社のFPは資産運用に詳しいし、不動産会社のFPは不動産のことに詳しい。税理士の資格を持つFPはもちろん税のスペシャリストだし、社会保険労務士の資格を持つFPはもちろん社会保険のプロです。

このように、同じFPでも、いろいろ得意分野があるわけです。逆に言えば、得意分野以外は苦手なことが多いもの。CFPともなれば別ですが、AFPだとどうしても苦手な分野まで手が回らないのが現実です。

じゃあ私は…というと、サイトをよく読んでいただいた方はご存知の通り、資産運用が苦手。税金や社会保険の知識も、毎年変わるのでなかなかついていけません。不動産は、平成14年に、宅地建物取引主任者に合格したので、最低限はあるかなあ…とい程度。う〜ん、これじゃあいけませんね。

illust3475thumb.gif今、私が目指したいのは、「庶民のためのFP」。株や投資信託の知識ももちろんあったほうがいいけど、たぶん、世間一般の家庭には、あまり縁が無い話だと思うのです。安定した収入さえ保証されないこの世の中、リスクを負ってまでお金を増やそうという人と、リスクを最小限にするために無駄の無い保険にきちんと加入したい、と思う人と、どちらが多いかと言えば、やっぱり後者だと思います。私は、そんな人たちのお役にたてたら、と思います。

そのために、生命保険の前に私たちの生活を守る、社会保険の知識をもっと身につけたい。だから、平成15年、社会保険労務士の試験を受けました。私にとってはとても難しい試験。大学は文学部だったので、法律の知識も全くありません。約半年間、子育ての傍ら、毎日5時間の睡眠でがんばりましたが、残念ながら不合格。その後、続けざまに第二子、第三子と授かったため、なかなか勉強に集中できる環境にはならず、もう少し落ち着いたら勉強を再開する予定です。

え?資産運用が苦手だってことの言い訳に聞こえます?
…庶民派のFP、と呼んでください(笑)。



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2011.07.17 Sunday
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アンケート
保険の営業の仕事を始めて、まず、必至になったのはアンケート集め。
要するに、営業先のお客さんを回って、名前やら、住所やら、生年月日やら、どんな保険に入っているかやらを、アンケート用紙に記入してもらうのです。会社勤めの方なら、書いたことがある方も多いはず。

illust2271_thumb.gifはじめましての挨拶のときはもちろん、新商品が出たときとか、キャンペーンのときとか、そのたびにアンケートを配って、書いてもらいます。以前書いてもらった人でも、何度でも。アンケートの枚数がノルマになることもあったのです。

アンケート用紙は、保険会社がカラー印刷して作ったきれいなものもありますし、自分で手書きして印刷した、オリジナルなものもあります。特に新人の頃は、いろんな工夫をしたオリジナルなアンケートを、毎日配って回っていました。アンケートをもらったときに、いきなり保険の話をすることもありますが、やっぱり初めからはなかなか信用してもらえないものです。

アンケートに書いてもらった情報は、保険の設計だけじゃなく、パソコンに入力して、占いツールを作り、お客様との話題づくりに活用します。あとは、自分で作ったチラシとか。おいしいお店の情報とか、クイズとか、自分のプライベートなことを書いて、仲良くなれる工夫をして。毎日のようにそれを持って行って、世間話をしつつ、少しずつ仲良くなって、それから保険の話をするようになる、というのが国内大手生保新人営業の王道でした。

そうやって、4年間の営業の間、何百人もの人に会って、名刺を配り、挨拶をし、アンケートを書いてもらいました。その一枚一枚から、いろんな出会いがありました。無事に契約をもらえることもありましたが、結局世間話だけだった人も多数。

アンケートを書いてもらえるだけいいほうで、書いてくれない人もたくさんいました。そりゃあ、セールスレディの下心はわかっていますから、うるさく勧められるのもいやだろうし、たいして知り合いでもない人に、住所や誕生日など個人情報を簡単に書くものではありません。当然のことです。だけど、仲良くなろうと思って必至なのに、配ったものを目の前でゴミ箱に捨てられたり、まるっきり無視、という方もいて、慣れるまではちょっと辛いものがありました。

そうやってアンケートをもらうのにも、ずいぶん慣れて来た頃。

営業先に新人が配属になったということで、私は早速アンケートを書いてもらいに行きました。新人さんと言えば、まだ保険に加入していない場合が多いので、セールスの格好のターゲットです。数人の新人さんに無事アンケートを書いてもらいましたが、どうしても会えない新人さんが一人いました。

営業できるのはお昼休みと夕方のみ。いつもどこかに出かけています。何度行っても会えないので、とりあえず机の上に、アンケートと、名刺と、メモを置いていきました。また来ますので、良かったら書いてくださいね、と。まだ顔も知らない新人さんに。

もちろん、そんなメモを残したところで、書いてくれる人はほとんどいません。目の前でお願いしないと、なかなか書いてもらえないのです。それもわかっていたけど、新人獲得のためです。

数日後、ようやくその新人さんに会えました。やっと会えてうれしくて、名刺を渡し、はじめまして、と自己紹介をしました。すると、その彼もご丁寧にお辞儀をし、名刺をくれたのです。


「はじめまして、○○です。よろしくお願いいたします。」と。


びっくり。セールスレディに対して、そんな丁寧な挨拶をする人は滅多にいません。こっちこそ恐縮してしまいます。

illust3795thumb.gifしかも彼は、机の中から一枚の折りたたまれた紙を取り出しました。なんと、「これで良かったですか?」と、先日置きっぱなしにしておいたアンケートに、きちんと記入してくれているではありませんか。そのときのうれしかったこと…!私のメモ、ちゃんと読んでくれてたんだ!


あんまりびっくりして、うれしかったので、そのときのことは今でもすごく覚えています。私の4年間の営業活動の中でも、とても印象深い出来事でした。

・・・ちなみに、そのときの新人さんが、今の私の主人です。
人のめぐりあわせって、不思議なものですね。



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2011.07.17 Sunday
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GNP
保険の営業は、セールスの中でも難しいもの、と言われます。
この仕事ができればたいていの仕事はやれるよ、と。

illust4182thumb.gif何が難しいかというと、まず、たいていの人はもう加入している。日本人の生保世帯加入率は世界でもトップクラスの9割です。しかも、生命保険なんて、二つも三つもいらないものだから、契約してもらうとなると、かけかえてもらわなくてはならない。さらに、お金や健康状態のからむことだから、すぐに「いいよ」とは言ってもらえない。

たまに、保険に加入していない人を見つけると、ここぞとばかりに勧めますが、これがまた大変。必要性を感じていないから加入していないわけで、それを感じてもらうことは本当に難しい。「万一のとき」とか「病気になったとき」とか、暗いことばかりを話さなくてはいけない。冗談交じりに「脅しみたいだね」と言われたこともあります。ああ、住宅の販売だったらもっと楽に話せるだろうに…と、よく思っていました(それはそれで大変なのでしょうけど)。

そこで、保険のセールスでよく使われる顧客獲得手段が、いわゆるGNP。何だと思います?G(義理)N(人情)P(プレゼント)、です。

義理と言えばまず友達。まず、就職した友人には声をかけるように指導されます。どうせ入るものなのだから、それなら自分に入ってもらいなさいと。この仕事を始めてすぐは、営業先からの契約はなかなかもらえませんので、話を聞いてくれる友人がいるのは本当にありがたいこと。けど、大切な友達だから、嫌な思いをさせたりしたくないし、相当神経使います。あと、身内。家族や親戚など。友人知人・身内などを社内用語では「イニシャル」と言ってました。困ったときはイニシャルへ…とよく言われてたなあ…。

illust1752_thumb.gif人情。
営業先の方々とも、毎日のように顔を出し、笑顔で明るく挨拶をすれば、次第に親しくなっていきます。とある営業先の企業で、最初の一年は全くと言っていいほど契約がいただけませんでした。特に、数人の若手女性事務員は、セールスレディ慣れしていたので、挨拶をしてもまったく口を聞いてもらえないほど。それでもめげずに挨拶し、毎日顔を出していると、一年後、突然保険の相談を受けたことがありました。そのときのうれしかったこと…!別の営業担当の男性からは、「いいよ、毎日来てくれているから」と、初めて設計書を持って行った日に、二つ返事でOKをいただいたことも。こういうとき、ああ、がんばって通い続けて良かったなあって、しみじみ思ったものでした。

さて、ここまでは、いいとしましょう。どんな営業の世界でも当たり前です。

問題は、プレゼント。

営業するにはお金がかかります。夕方の営業にはお菓子の差し入れ。2週間に一度はテレビ情報の雑誌。バレンタインには山ほどチョコレートを買い込み、メッセージをつけてラッピング。年末には、新年のカレンダーを準備。一つ一つに名前シールを貼って、かばんにつめて配り回る。暑中見舞い、年賀状はもちろんのこと、見込み客の誕生日にはバースデーカードまで。

これらはあくまでも、営業先の人みなさんにすること。これが実際に契約してくれたお客さんとなれば、これくらいじゃすみません。まずご契約をいただいたら時にお礼の品。私はよくポールスミスのタオルを贈ってました。あと、女性やファミリーにはキャラクタグッズとか。で、誕生日にはブランドハンカチ。いつも買いだめしてストックを用意していました。

こういうの、全部自分のポケットマネーです。最初はいいのですが、契約者が100人を超えたあたりから、かなり辛くなってきました。毎月、数万円、こういうプレゼントや営業のための交通費、電話代や郵便料金に消えていきました。経費は会社でなくほとんど自分もちだったのです。ああ。今となっては考えられない。当時はみんなやってたから当たり前だと思っていたけど。

しかし、これだけお金をかけても、そんなに喜んでもらえないんですよね。新聞の勧誘なんかと同じく、当たり前だと思われているから。生保営業は昼のホステスだなんて言われたこともあるし、逆に、「前契約したときは、カーナビもらったんだよね」とか、暗に要求されちゃったりするんです。

もうそろそろ、こういうの、やめにしませんか。

生命保険って、やっぱり他人に義理や人情やプレゼントを押し付けられて入るものではない。自分で必要性を感じ、自分なりの価値観で加入するものだと思います。最近は、インタ−ネットの普及で、保険の加入形態も少しずつ変わりつつあります。保険業界に対して、皆が疑問に思っていること、不満を感じていること、当たり前だと思ってきたけど本当は違うということが、少しずつ浸透し始めていると思います。

生保レディの役割も、単なるセールスから、コンサルティングに変わっていくべき。今すでに、いろんな生保が、「コンサルティングセールス」と言って、生保レディに小型パソコン(これも毎月リース料払ってました)を持たせて、必要保障額を出したり、個別設計をしたりしていますが、形だけ。あくまでも、「生保主体」、つまり売る側が売りたい商品を売っているのにすぎない。コンサルティングは、その理由をかっこよく作っているだけ。そうじゃなくて、顧客側が主導権を握って、自由に選べるようにならなきゃいけないと思うんです。

このサイトが少しでも、そのお手伝いをできたらいいな。
そういう日が来ることを願って。
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2011.07.17 Sunday
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私が保険会社を辞めた訳
私が、保険の営業の仕事を始めて、数ヶ月たった頃の話です。

そのころ、営業先にもだいぶ慣れてきて、顔も覚えてもらい、話ができる人もずいぶん増えていました。ある女性から、保険の相談を受けました。
「この保険、どう思う?保障が足りないって言われたんだけど」
と、彼女は、一枚の保険証券のコピーを見せてくれました。

それは、とても予定利率の高い時代に加入した、年金保険でした。年金保険と言っても、貯蓄機能の高さに加え、入院の保障も、少しだけど死亡保障もついていて、子供はまだいなくて、共働きの彼女にはピッタリの内容。保険会社も安心そうなところだったし、私には、特に問題が無いように思えました。

まだまだ新人だった私は、いつものように、会社に戻って、トレーナーに相談しました。

「この年金、すごくいいですよね。保険料も安いし、保障もついているし。 やめたらもったいないですよね。」
「そうねえ。いい保険ね。」
「これじゃあ他に、何も勧められないですよねえ。」
「定終(定期保険特約つき終身保険)勧めればいいじゃない、それやめてもらって。」
「えっ!この保険、やめさせるんですか?」
「だって、あなたは○○生命の人間でしょ、それがあなたの仕事でしょ?」

…これが私の仕事?

定期保険特約つき終身保険は、当時会社が一番力を入れていた商品でした。
掛け捨てが大部分の、死亡保障優先の、保険会社の利益の高い商品。
とにかく、誰にでも、勧めるのはこの商品からでした。

自分の成績のために、会社の利益のために、お客さんに損をさせるのが、私の仕事?
そのとき私は、すごく違和感を感じました。

確かに私は保険会社の人間。
けど、お客さんに損をさせてまで、自社の保険を勧めなきゃいけない、それが私の仕事なのかな…。

結局、彼女にも、トレーナーの勧めるプランを見せました。でも、やっぱり、これが一番だと勧めることはできなかった。ただ見せただけ。今の保険を、大事に持っていてくださいと言うことしかできなかった。会社から見れば、きっと使えないセールスレディだったことでしょう。

そんな出来事を、何度も繰り返し、何度も迷いながら、それでも仕事を続けていました。私のセールスレディ時代は、常に心の中での葛藤の日々でした。

会社に貢献するのか、お客様のことを優先に考えるのか。

新人で若かった私は、それすら、はっきりわかっていなかったのです。

しばらくして、私はFP(ファイナンシャルプランナー)の勉強を始めました。そのテキストの中に、私の心を動かし、決定付けた言葉がありました。

「ファイナンシャルプランナーは、顧客の利益を一番に優先させること」

目からうろこでした。
時々、契約をもらうたびに感じていた違和感。会社に貢献し、私のお給料も上がる。でも、別の誰かが損をする。私を信用してくれた誰かが。それで、本当にいいのかな。

そういう気持ちになっていた理由が、はっきりわかりました。
「自分のために」「チームのために」「会社のために」
そう言われて仕事をしてきた。けど、そんなことは、どうでも良かったのです。

私を信じてくれている、お客さんのことだけを考える。
それだけで、十分だったのです。
そんな簡単なことに、どうして今まで、気づかなかったんだろう。

いや、本当は気がついていたのに、気がつかないふりをしていたのかもしれません。
「自分のために」「チームのために」「会社のために」
そんな言葉の影に隠れて・・・。

それからしばらくして、無事ファイナンシャルプランナーの試験に合格し、私は、本当にお客さんのためになる仕事をしようと、努力しました。
でも、保険会社にいたら、どうしても成績がついてくる。成績のことを考えずに、顧客の利益のみを考えていても、あまるほど契約がとれるような、そんなセールスの才能は私にはありませんでした。

それに、営業先でも、まずは「○○生命の人間」として、私は認識される。決して「ファイナンシャルプランナー」としてではなく。お客さんのために、と思って話していても、「また○○生命がセールスしてるよ」と思われる。それが、すごくくやしかった。でも、私にはどうすることもできなかったんです。自分の力不足を痛感しました。

FPの資格を取って1年後、私は生保レディの仕事を辞めました。もちろん、このことだけではなく、辞めた原因はいろいろあります。今でも、辞めたことを後悔することもあります。

でも。

保険で困っている誰かの役に立てたらいいなあ。
今は、ただ素直に、そう思っています。
余計なことを考えず、そう思えることが、今、少しうれしいのです。



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2011.07.19 Tuesday
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学資保険の悲しい請求に思う
生保レディの仕事を辞めてから、もう10年。私は今、生命保険会社で事務の仕事をしています。セールスレディさんたちが、お客様のところから預かってくる、いろいろなお手続きの書類を点検するのが主なお仕事。

一言で生命保険と言っても、いろんな機能があります。本来の目的である死亡保障の他に、病気をしたときの医療保障、貯蓄性の高い商品なら、一時的にお金を借りたり、満期までとっておいて預金代わりにしたり、老後に備えたり。

例えば学資保険も、貯蓄性が高くて、子どもの成長に応じてお金を受け取れる便利な商品。今は予定利率も低く、お金を増やすためと言うよりは、お守り代わりに加入する人が多いですね。

毎年、2月ごろになると、満期を迎える学資保険が多いので、私の勤務先でも、学資保険の満期金の請求書をたくさん取り扱います。子どもが無事成長し、大学入学などに備え、まとまったお金を受け取れて、めでたしめでたし。

・・・なのですが、つい先月、8月だったかな・・・この学資保険の請求がありました。なんでこんな時期に?解約?

それは、思いがけない請求でした。満期でも解約でもなく・・・死亡保険金の請求だったのです。それも、契約者(=親)ではなく、被保険者(=子ども)の。

まだ、中学生の男の子でした。自転車走行中に、トラックと衝突しての、事故死。事故の状況を記す書類や、死亡診断書など目にすると、人の命がどれだけあっけないものなのか・・・生々しく伝わりました。

元気いっぱいの、これからが楽しみの中学生。10年以上、大切に育ててきた息子を、一瞬の事故で失ったお父さん、どんなにつらい気持ちで、この書類を書いたのか・・・それを思うと、思わず涙ぐんでしまいました。

これがもし、契約者(=親)の死亡であれば、残された家族には、その後の生活を支える死亡保険金が出ます。受け取る家族は、辛くても、そのお金が生きる支えとなります。

でも、被保険者(=子ども)の死亡の場合は、今までに支払った保険料相当分の金額が戻ってくる程度・・・
(注:保険会社によって一時金が出る場合もあります)

この手続きを取り扱ったセールスレディの方も、葬儀に参列し、ご両親にかける言葉も見つからず・・・涙が止まらなかったそう。何の意味も無い、ただの事務手続きをとることしか、彼女にはできなかったのです。

末の子どもが小学生になり、長い夏休みの間、毎日3人分のお弁当を用意したり、遊びに連れて行ったりするのが大変だなんて、それがどんなに、幸せなことなのか、忙しい毎日の中、私たちはなかなか気づけないでいます。

今この一瞬が、子どもと過ごせる貴重な時間であることを、決して忘れないように・・・そう思ったできごとでした。



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2012.09.08 Saturday
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