パパに万が一のことがあったときに、その後の生活をどうするか。特に、子供が小さいときに、稼ぎ頭を失うことは、経済的にも精神的にも大きな痛手です。そのときに一番頼りになるのは、公的な保障。公的年金をきちんと支払っていれば、「遺族年金」がもらえます。何かと不安がささやかれ、問題も多い公的年金ですが、もらえるのは老後だけではないのですね。
パパの保険を考える上では、この遺族年金について知っておくことが大変重要です。遺族年金の金額には、サラリーマン、公務員、自営業者で違いがあります。ご自分に当てはまる部分だけで結構ですので、よく理解してください。
1 サラリーマンの遺族厚生年金
サラリーマンは、お給料から「厚生年金保険料」が引かれていますが、その中に自分(夫)と扶養配偶者(妻)の国民年金の保険料も含まれています。平成15年4月からは、総報酬制(そうほうしゅうせい)が導入され、月給もボーナスも、一律6.79%が引かれることになりました。今までは、月給から8.675%、ボーナスからはたったの0.5%という割合でしたので、ボーナスから引かれる金額が一気に多くなりました。(ちなみに、会社が保険料の半分を負担しています。)今後も、保険料はどんどん上がっていくことが予想されています。
では、これだけ払っておいて、万一のときの遺族年金は、いったいくらくらいもらえるのでしょうか。老齢年金のことはよく報道されていますが、遺族年金のことはあまり考えたことが無いのではないでしょうか。
実際のところ、急激な少子高齢化を予測できなかった社会保険庁の試算の甘さから、年金制度はそれこそ猫の目のように変化していて、大変わかりにくくなっています。在職年月や平均給与額、生年月日、扶養する子供の人数などにより、かなり金額が変わってきます。
おおまかな計算式は次の通りです。
A 18歳未満の子供がいる期間
遺族基礎年金(79万7000円 + 22万9300円<妻>×22万9300円<子供1人につき>)
+ 遺族厚生年金(報酬比例部分)
B 18歳未満の子供がおらず、妻の年齢が65歳未満の期間
遺族厚生年金(報酬比例部分) + 中高齢寡婦加算(59万7800円)
C 18歳未満の子供がおらず、妻の年齢が65歳を迎えた後
老齢基礎年金(妻自身の年金) + 遺族厚生年金(報酬比例部分) + 経過的寡婦加算
つまり、子供が小さいときに万一のことがあると、妻が受け取る金額は、年月とともにA→B→Cと、変化していくわけですね。ここからしてすでにわかりにくいです。平均標準報酬月額など、聞いたことの無い言葉も出てきますね。下に説明を書いていますが、とってもわかりづらく、難しいので、飛ばしたい方は飛ばしてください。
と、長々と説明してみましたが、私のつたない説明だけじゃよくわからないし、実際計算する気にもならないですよね。なので、だいたいの目安を計算してみました。普通の企業にお勤めの方が30代で亡くなったらだいたいこれくらい、という金額です。
2 公務員の遺族共済年金
公務員の場合は、お給料から「長期共済」が引かれています。それが遺族共済年金となります。金額は、サラリーマンの受け取る金額よりも2割程度多くなっていて何かと批判の的ですが、実際は、その分支払う保険料も、サラリーマンより多いのです。
受け取れるだいたいの金額は次の通りです。
3 自営業の遺族基礎年金
自営業の方は、夫婦2人とも、別々に国民年金保険料を支払うことになっています。金額は、一人当たり毎月13580円(平成17年4月より)20歳以上であれば、学生でも支払うのが基本ですが、学生で前年の所得が68万円以下の場合は、申請により保険料免除になります。
自営業の方に注意していただきたいのは、子供がいない場合は、妻には「一円も」支払われないこと。妻は65歳以降、自分の老齢基礎年金が支給されるまで何も受け取れないことになります。
サラリーマンや公務員に比べると、とても不安なのが自営業の方。しっかり自分で備えておきましょう。
公的保障についていろいろ見てみましたが、それ以外にも、企業や共済組合からの死亡弔慰金などがありますので、福利厚生についてよく確認しておきましょうね。
公的保障についてだいたいの雰囲気はつかめましたか?どうしても詳しく金額が知りたい方は、社会保険庁や社会保険労務士などに相談してみると良いでしょう。
公的保障がなんとなくつかめたら、具体的な必要保障額を算出し、どんな保険で備えるべきか考えてみましょう。
※過去のデータを元にした数字です。必ず最新の情報をご確認ください。
→社会保険庁 遺族年金
この記事は参考になりましたか?
↓他にも、家計管理や貯蓄・保険最新情報など、いろいろ参考になる記事が満載です♪
パパの保険を考える上では、この遺族年金について知っておくことが大変重要です。遺族年金の金額には、サラリーマン、公務員、自営業者で違いがあります。ご自分に当てはまる部分だけで結構ですので、よく理解してください。
1 サラリーマンの遺族厚生年金
サラリーマンは、お給料から「厚生年金保険料」が引かれていますが、その中に自分(夫)と扶養配偶者(妻)の国民年金の保険料も含まれています。平成15年4月からは、総報酬制(そうほうしゅうせい)が導入され、月給もボーナスも、一律6.79%が引かれることになりました。今までは、月給から8.675%、ボーナスからはたったの0.5%という割合でしたので、ボーナスから引かれる金額が一気に多くなりました。(ちなみに、会社が保険料の半分を負担しています。)今後も、保険料はどんどん上がっていくことが予想されています。
では、これだけ払っておいて、万一のときの遺族年金は、いったいくらくらいもらえるのでしょうか。老齢年金のことはよく報道されていますが、遺族年金のことはあまり考えたことが無いのではないでしょうか。
実際のところ、急激な少子高齢化を予測できなかった社会保険庁の試算の甘さから、年金制度はそれこそ猫の目のように変化していて、大変わかりにくくなっています。在職年月や平均給与額、生年月日、扶養する子供の人数などにより、かなり金額が変わってきます。
おおまかな計算式は次の通りです。
A 18歳未満の子供がいる期間
遺族基礎年金(79万7000円 + 22万9300円<妻>×22万9300円<子供1人につき>)
+ 遺族厚生年金(報酬比例部分)
B 18歳未満の子供がおらず、妻の年齢が65歳未満の期間
遺族厚生年金(報酬比例部分) + 中高齢寡婦加算(59万7800円)
C 18歳未満の子供がおらず、妻の年齢が65歳を迎えた後
老齢基礎年金(妻自身の年金) + 遺族厚生年金(報酬比例部分) + 経過的寡婦加算
つまり、子供が小さいときに万一のことがあると、妻が受け取る金額は、年月とともにA→B→Cと、変化していくわけですね。ここからしてすでにわかりにくいです。平均標準報酬月額など、聞いたことの無い言葉も出てきますね。下に説明を書いていますが、とってもわかりづらく、難しいので、飛ばしたい方は飛ばしてください。
遺族基礎年金・遺族厚生年金・遺族共済年金について
平均標準報酬月額 … 毎年4月〜6月の月給の平均(ボーナスは含まない)を、標準報酬月額とし、これにより毎月の厚生年金保険料が決まりますが、平均標準報酬月額とは、毎年の標準報酬月額をさらに平均したもので、いわば、サラリーマン時代を通した平均の月給、ということになります。給与額やベースアップ率によって人それぞれですが、約37万円くらいが目安となります。
遺族基礎年金 … これが一番メインとなるものです。子供を育てている間支給されますので、子供が18歳の3月31日を過ぎると(つまり高校卒業までですね)、無くなります。
遺族厚生年金 … これはずーっと受け取れるものです。ご主人がそれまでに稼いでくれた月給の平均、また働いた月数によって変わります。計算式は、非常にややこしいです。ちなみにどんな一応計算式か書いてみると、次のようになります。
平均標準報酬月額×(7.125/1000)×平成15年4月までの加入期間×物価スライド率
+
(平均標準報酬月額+平均賞与)×(5.481/1000)×平成15年4月以降の加入期間×物価スライド率×3/4
もし、300月(25年)未満で亡くなった場合は、300月として計算されます。その場合は、上の計算式で出た年金額に、”300 ÷ 全被保険者期間の月数”をかければOKです。実は、これはご主人が生きていたら老後にもらえる、老齢厚生年金の3/4ということなのですね。だから、子供がいようといまいと、いくつになろうと、ずーっともらえるのです。
老齢基礎年金 … 妻自身が国民年金に加入していた期間の分だけもらえます。ちなみに、妻が働いている間厚生年金を払ってる時は、国民年金にも加入していることになります。その後、退職して扶養に入った場合は、その旨をきちんと届けておけば、「第三号被保険者」として国民年金にも加入していることになります。この届けを忘れると、年金を受け取れないということになる場合がありますので、要注意!
中高齢寡婦加算 … 遺族基礎年金の代わりに、65歳になるまで支払われるもので、金額は定額です。
経過的寡婦加算 … 中高齢寡婦加算を受けていた人が、65歳になって老齢基礎年金を受け取るようになると、生年月日に応じて支給されます。ちなみに昭和2年4月1日以前に生まれた方の60万3200円から、昭和30年4月2日から、昭和31年4月1日までに生まれた方の2万200円まで、金額はばらばらで、それ以降に生まれた方には支給されません。
と、長々と説明してみましたが、私のつたない説明だけじゃよくわからないし、実際計算する気にもならないですよね。なので、だいたいの目安を計算してみました。普通の企業にお勤めの方が30代で亡くなったらだいたいこれくらい、という金額です。
18歳未満の子供が | 18歳未満の子供がおらず、妻の年齢が | ||||
3人いる間 | 2人いる間 | 1人いる間 | 40歳未満 | 40歳〜64歳 | 65歳以降 |
約195万円 | 約187万円 | 約164万円 | 約60万円 | 約121万円 | 約141万円 |
子供は、18歳未満の子供の他に、20歳未満で1・2級の傷害状態にある場合も含む。夫の平均標準報酬月額は35万、25年加入した場合。遺族基礎年金を含む。妻は40年間国民年金に加入し、老齢基礎年金を満額受給するものとして、老齢基礎年金を合計して計算。中高齢寡婦加算を含む。経過的寡婦加算は含まない。千円以下は切り捨てて表示。平成13年度価格。 |
2 公務員の遺族共済年金
公務員の場合は、お給料から「長期共済」が引かれています。それが遺族共済年金となります。金額は、サラリーマンの受け取る金額よりも2割程度多くなっていて何かと批判の的ですが、実際は、その分支払う保険料も、サラリーマンより多いのです。
受け取れるだいたいの金額は次の通りです。
18歳未満の子供が | 18歳未満の子供がおらず、妻の年齢が | ||||
3人いる間 | 2人いる間 | 1人いる間 | 40歳未満 | 40歳〜64歳 | 65歳以降 |
約207万円 | 約199万円 | 約176万円 | 約73万円 | 約133万円 | 約153万円 |
子供は、18歳未満の子供の他に、20歳未満で1・2級の傷害状態にある場合も含む。夫の平均標準報酬月額は35万、25年加入した場合。遺族基礎年金を含む。妻は40年間国民年金に加入し、老齢基礎年金を満額受給するものとして、老齢基礎年金を合計して計算。中高齢寡婦加算を含む。経過的寡婦加算は含まない。千円以下は切り捨てて表示。平成14年度価格。 |
3 自営業の遺族基礎年金
自営業の方は、夫婦2人とも、別々に国民年金保険料を支払うことになっています。金額は、一人当たり毎月13580円(平成17年4月より)20歳以上であれば、学生でも支払うのが基本ですが、学生で前年の所得が68万円以下の場合は、申請により保険料免除になります。
自営業の方に注意していただきたいのは、子供がいない場合は、妻には「一円も」支払われないこと。妻は65歳以降、自分の老齢基礎年金が支給されるまで何も受け取れないことになります。
サラリーマンや公務員に比べると、とても不安なのが自営業の方。しっかり自分で備えておきましょう。
18歳未満の子供が | 18歳未満の子供がおらず、妻の年齢が | ||||
3人いる間 | 2人いる間 | 1人いる間 | 40歳未満 | 40歳〜64歳 | 65歳以降 |
約134万円 | 約126万円 | 約103万円 | なし | なし | 約80万円 |
子供は、18歳未満の子供の他に、20歳未満で1・2級の傷害状態にある場合も含む。妻は40年間国民年金に加入し、老齢基礎年金を満額受給するものとして計算。経過的寡婦加算は含まない。千円以下は切り捨てて表示。平成13年度価格。 |
公的保障についていろいろ見てみましたが、それ以外にも、企業や共済組合からの死亡弔慰金などがありますので、福利厚生についてよく確認しておきましょうね。
公的保障についてだいたいの雰囲気はつかめましたか?どうしても詳しく金額が知りたい方は、社会保険庁や社会保険労務士などに相談してみると良いでしょう。
公的保障がなんとなくつかめたら、具体的な必要保障額を算出し、どんな保険で備えるべきか考えてみましょう。
※過去のデータを元にした数字です。必ず最新の情報をご確認ください。
→社会保険庁 遺族年金
この記事は参考になりましたか?
↓他にも、家計管理や貯蓄・保険最新情報など、いろいろ参考になる記事が満載です♪
2011.07.18 Monday
この記事は内容が古い可能性があります。最新の情報はご自身でお確かめください。
:: 保険のレシピ 1から順にどうぞ > 3 作り方 > パパの保険 ::▲ page top