材料3 いざというときのための 医療保障の種類
死亡保障と違って、年齢・性別を問わず、誰にでも身近にリスクがあって、備える必要があるのが医療保障ですね。医療保障すなわち医療保険で!と思いがちですが、忘れないでください、私たちが自分で選んで加入する保険の他に、おなじみの社会保険があります。そう、健康保険。それも含めて、医療保障にはざっと次のようなものがあります。

1 健康保険誰でも加入している公的保障。いろいろ問題はあれど、まずこれに加入してないと、怖くて病院にすら行けません。
2 生命保険の特約生命保険のオプションとして、入院や通院などの保障をプラスします。
3 医療保険最近人気があります。特約と違って単品なので、死亡保障は要らない、という人にはぴったり。


それでは、健康保険から一つずつ見ていきましょう。

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1s.gif健康保険
  主な給付内容

一定割合の自己負担70歳未満の被保険者及び被扶養者(家族等) 健康保険適用治療の3割の自己負担
上記の被扶養者(家族等)のうち、3歳未満健康保険適用治療の 2割の自己負担
70歳以上の被保険者及び被扶養者(家族等)健康保険適用治療の 1割の自己負担
上記のうち、標準報酬月額(月の収入の平均)が28万円以上健康保険適用治療の2割の自己負担
入院時の食事代の一部負担一般一日に付き780円
市町村民税非課税者一日に付き 90日未満 650円
90日以上 500円
老齢福祉年金受給権者一日に付き300円
高額療養費

(一ヶ月の一つの医療機関に対して)

一般(月収56万円未満) 自己負担限度額72300円+(かかった医療費−241000円)×0.01
高所得者(月収56万円以上)自己負担限度額139800円+(かかった医療費−466000円)×0.01
低所得世帯(生活保護、市町村民税非課税者)自己負担限度額35400円定額
1年に4回以上の場合はまた別途計算されます。
差額ベッド代6人部屋自己負担なし
個室〜5人部屋自己負担 病院によって異なる
特定療養費高度先進医療を受けた場合特定承認保険医療機関でのみ基礎的部分については3割負担、高度の医療部分については全額負担
傷病手当金 労務不能の療養のため、連続4日以上休業し、その間給与の支払いがない場合最長1年6ヶ月標準報酬日額の6割

最新の情報は、社会保険庁

とても複雑。しかし、じっくり見てみると、意外にいろんな保障があるものです。特に、サラリーマンや公務員などは、加入している健康組合によって、これよりもっと多くの給付を受けられる場合があります。私が以前勤めていた会社では、月々の健康保険適用の医療費が5000円を超えた分は、すべて後から現金で戻ってくるという素晴らしい制度がありました。つまり、基本的に、一ヶ月の自己負担は5000円だけで良かったのです。一度、自分の会社の福利厚生を確認してみてください。意外と充実しているかもしれませんよ。

また、健康保険以外にもいろいろな公的補助があります。特に就学前の乳幼児には、自治体からの補助があるところが多く、医療費がまったくかからない場合もあります。その他、難病と認定された場合や、体に障害が残って、障害者と認定された場合、また、母子家庭などは、国や自治体からの補助がある場合も多いのです。ちなみに私の住んでいる自治体では、光化学スモッグが原因とされる病気の場合、医療費の補助を受けることができるそうです。自治体の発行する情報誌などには、こまめに目を通したいものですね。

さてさて、これなら多少病気してもなんとかなりそう…と、思ってしまいますが、実際はそううまくはいきません。少子高齢化により、老人医療費の負担が増大しつつある今、医療費の制度は年々改正(改悪)され、負担が増える傾向にあります。

illust2169_thumb.gifまた、健康保険適用外の費用がたくさんかかるのも事実。例えば、代表的なのが差額ベッド代。落ち着いた環境で入院するために、個室に入るとそれだけで1日1万円かかる場合があります。個室とはいかなくても、2人部屋、3人部屋に入れば、それだけで一日5〜6千円かかることも。また、ガンなど大きな病気には、高度な医療技術が使われることがありますが、高度先進医療には10万円単位でお金がかかるのです。

今、自由診療問題が論争になっていますが、保険適用外の治療を受けようとすると、その病気による、すべての入院・診察・治療が健康保険の適用を外れてしまいます。そうなると、入院費用が100万円を超えることも珍しくありません。お金が無いがために、より良い治療を受けることができない、そういった事態を避けるためにも、やはり、ある程度は自分で備えることが必要ですね。

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2s.gif生命保険の特約

生命保険に加入するときには、入院や通院などの特約を付加する人が多いことと思います。特約 = オプション なので、保険そのものを解約すると、医療保障も一緒に無くなってしまうというデメリットがありますが、特約そのものの保険料は、同じ内容の医療保険に加入するよりも、若干安い場合が多いようです。 

特約には各社に共通する基本的なものから、保険会社が目玉商品として考え出した個性的な特約まで、いろいろあります。代表的なものを見てみましょう。

取扱 …ほとんどの保険会社で  …半数程度の保険会社で  …一部の保険会社で



特約の名称給付内容取扱
障害特約不慮の事故で所定の身体障害になった時
災害入院特約不慮の事故で入院した時
疾病入院特約病気で入院した時、手術した時
通院特約入院をし、さらに通院した時
退院給付特約退院した時
成人病特約ガン・心疾患・脳血管疾患・高血圧・糖尿病で入院した時
女性疾病特約乳がんや子宮筋腫など女性特有の病気で入院した時
特定(三大)疾病特約ガン・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になった時に一時金で
重度慢性疾患保障特約高血圧・糖尿病・慢性腎不全などで所定の状態になった時に一時金で
重度障害保障特約半身マヒ・心臓ペースメーカーの装着など所定の身体状態になった時
高度先進医療特約厚生労働大臣に承認されている高度先進医療に該当する治療を受けた時
特定難病特約国の認定する難病にかかって治療を受けた時
特定損傷特約骨折・脱臼・アキレス腱の断裂で治療を受けた時
介護特約所定の介護状態になった時
保険料免除特約指定する状態になった場合、以降の保険料の支払いが免除になる


なお、保険会社によっては、特約の名称や名前が異なります。似たような特約がいっぱいあってわかりにくいですよね。 特定疾病保障特約など、死亡保障がついている特約もあったりして、さらに複雑。 

illust1633_thumb.gifここで気をつけておきたいのは、「よくばらない」こと。「この特約はうちしかないんですよ」「この特約は最先端ですよ」「この特約は絶対必要ですよ」というセールスマンの言葉に踊らされて、あれもこれもといっぱい特約をつけすぎると、気が付いたら保険料がとんでもないことになってしまいます。 

特定の病気に対して、よっぽど強い不安がある場合は別ですが、基本的には「入院・手術」の備えがあれば大丈夫です。だって、どんな病気でも出るのですから。上記の表で言うと、◎がついているのがソレ。ほとんどの会社で取り扱っているということは、それだけ必要性が高い、ということ。

逆に言えば、△のものは、あまり必要性が無い、もしくは、可能性が少ない、ということです。○は、心配ならあってもいいかな、という程度。もし、特約で迷ったら、「絶対コレにかかるのか?絶対必要なのか?コレがないと困るのか?」と考えてみましょう。もし、後でどうしても欲しい、となれば、後から付加できるものも多いのですから。

また、必ず準備しておきたいのは、入院・手術に対する備えですが、ここで注意。 

給付対象となる入院日数は、
 
・1泊2日の入院から 
・連続5日以上入院で5日目から 
・連続20日以上入院で初日から

などいろいろあるし、

一つの入院で最高何日出るのか(60日、120日、1000日など)
通算で何日出るのか(700日、730日、無制限など)

も、保険会社や、契約時期によって異なります。
それによって保険料もまちまちですので、よく確認して選びましょう。

見直しの際に気をつけたいこと。最近は一泊二日から支払われるものがとても人気ですが、私は必ずしも必要だとは思いません。もちろん、一泊二日からでも5日からでも、保険料がまったく同じなら、一泊二日から出たほうが良いに決まっています。でも、たいていの場合は、一泊二日から支払われる方が、保険料が高いのです。わざわざ保険をかけかえて、保険料をアップさせてまで、一泊二日にこだわる必要があるでしょうか。私はその必要はないと思います。そもそも、入院が5日未満で済む病気は、そんなにお金のかかる病気ではありません。それくらいなら、預貯金でまかなえるはずなのです。

一泊二日の入院をする可能性は未知数です。でも保険料が上がるのは確実なのです。それならば、私は保険料が上がらないほうを取りたいと思いますが、みなさまはいかがでしょうか。

ただ、新規加入する場合は別です。すでに、ほとんどの商品は1泊2日以上から支払われます。また、保険会社によっては、今まで加入していた特約を、無料、もしくはわずかの差額で、5日以上というふるいタイプから、1泊2日タイプに変更できる場合もあります。それだったらもちろんOK。確認してみてくださいね。

他に気をつけたい点は、いつまで特約を続けることができるか、ということ。生命保険本体の保険料の払込が終わるときまでなのか、それとも80歳までいいのか、一生続けることができるのか。保険会社によって異なりますので、確認が必要です。

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3s.gif医療保険

生命保険の特約は、死亡保障とセットで加入するのが原則ですが、死亡保障が不要な場合、また、死亡保障はここの保険会社がいいんだけど、医療保障はこっちのほうがいいな、という保険会社をわけたい人にオススメなのが医療保険です。

基本的には、先ほどの特約とほぼ同じような内容。死亡保障や解約金がついているかどうか、また給付対象となる入院日数がどれくらいなのかなどによって、保険料は変わってきます。気をつけたいのは、保障期間と保険料の払い方。10年や15年で更新する保険なのか、それとも一生涯保障が続くのか、80歳までなのか、という点。例で見てみましょう。

・入院1日5000円・手術5〜20万円・通院1日3000円・死亡保障50万円 のプランだと…

保険期間

保険料

30歳40歳50歳60歳70歳80歳90歳
10年更新2200円2900円4300円8000円15700円保障終了
80歳満了4600円4600円4600円4600円4600円保障終了
一生涯6700円6700円6700円6700円保障は一生涯継続
注・保険料は月払いの一例。保険会社によって異なりますので確認してください。


というように、加入するときに、一見安そうに見えても、結局後で高くなったりします。オススメは、やっぱり一生涯保障のタイプ。保険料は高いですが、後々保険料が変わらず、定年の60歳で払い終えれば、収入が年金だけになってからも安心です。

最近、○年間病気をしなかったら、保険料が下がる、とか、無事故給付金が出るとか、いろいろバリエーションが増えています。それぞれにニーズに合わせて選びましょう。ただし貯蓄機能がついているものは、利率が低い今はおすすめできません。

さてさて、材料を揃えたら、次は下ごしらえです。



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2011.07.17 Sunday
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