子供の保険、というと、一番に思い浮かべるのは、「学資保険」ではないでしょうか。学資、という名前の通り、教育費を準備することができる、貯蓄性の高い保険です。他には、「こども保険」というものがあります。これは、貯蓄性もあるが、同時に保障もかねている、というもの。あと、貯蓄性を全くはぶいて、保障だけにした掛け捨ての共済があります。各種共済組合などで用意できます。
まとめてみました。
子供が生まれるとまず、保険をどうしようか、と悩みますね。これが、ほんの少し前までは、何も悩む必要が無かったんです。何しろ、予定利率がものすごく高かったので、学資保険にとりあえず入っておけば、何十万円も簡単確実に増えたものです。それに医療特約でもつけておけば、病気や怪我も備えることができたし。
しかし、今は違います。予定利率は最悪です。貯蓄目的で保険に入る時代ではない、というのは、パパの保険、ママの保険でもいっしょでしたよね。
では、それぞれの保険のメリット・デメリットについて、一つずつ、見ていきましょう。
学資保険
多くの保険会社で取り扱っている保険です。教育費の準備がメインの目的で、15歳満期、18歳満期、22歳満期の他、大学入試前に満期が来る17歳満期というのを用意している保険会社もあります。また、満期時に一括してお金を受け取るものと、小・中・高の入学時などと満期時と、数段階にわけて受け取るものがあります。
教育費を少しでも有利に増やすのが目的だったこの保険、はっきり言って、今加入しても、ほとんどの保険会社では、お金は増えません。というか、減りこともあります。予定利率が低すぎるからです。実際、見てみるとよくわかると思います。
ちょっと前のデータですが、参考になるでしょうか。国内大手生保2社、外資系1社、郵便局と、合計4種類の商品で、実際に設計書を作ってもらいました。予想以上に増えないのにビックリ…。
(契約者男性30歳、男児0歳、18歳満期で、一番安くはじめられる契約金額からの例)
と、このような感じです。
これは平成14年3月の時点の保険料なので、それ以降加入する場合、予定利率が変更になっていれば変わります。また、契約者や子供の性別・年齢によって変わりますし、医療特約や育英年金をつければまた高くなります。一つの目安と思ってください。
国内生保及び郵便局は、現時点では元本割れしていますが、今後景気が良くなれば、配当金がつく可能性もないとは言い切れません。(決して配当金をあてにはできませんが)
一つ注目したいのは、外資系S社、ソニー生命です。配当金の少ないタイプですが、ここだけは増えます。また、最近人気が出てきたのが、がん保険で有名なアフラックが発売した、夢みるこどもの学資保険です。返戻率もソニー生命に負けませんし、大学入学後の学資金を毎年受け取れる、というのがなかなか便利。考えてるな〜と思います。
こういった外資系の学資保険は、銀行で積み立てるよりもいいです。ただ、デメリットもあります。途中で解約した場合は、大きく損をするということ。もし仮に、今後数年間の間に景気が飛躍的に向上し、有利な金融商品やどんなに増える保険ができても、解約して他の保険にかけかえては損になりますから、我慢してとっとかなくてはいけないんです。また、保険会社にも倒産のリスクはありますから、そうなると大幅に減る可能性もあります。
ところで、貯蓄目的なのに、学資保険が元本割れする学資保険が多いのはどうしてなのでしょうか?それは、「貯金」ではなく「保険」だから。保障が組み込まれている分、保険料が入っているからですね。この保障は、被保険者(=こども)の保障と、もう一つは、契約者(=パパ)の保障のことを指します。
普通の生命保険は、被保険者(保険をかけられている人)が亡くなった場合に、死亡保険金が支払われます。学資保険の場合は、被保険者(=こども)が亡くなった場合は、死亡保険金が出るタイプと、それまでに払った保険料の分だけが戻ってくるタイプの2種類があります。つまり、子供の死亡保障がついているか、いないかということですが、ついていない場合のほうがもちろん保険料は安いです。
また、契約者(保険をかけている人)つまりパパが亡くなったときに、残りの保険料を免除するというおまけがついていますし、さらに、育英年金という特約をつけておけば、学資金だけでなく、年60万円とか、あらかじめ設定しておいた年金が、満期まで毎年もらえる。パパが生きていても、万一のことがあっても、教育費だけは心配ない、ということになるわけですね。
ただ、必ずしもそれが必要か、というとそうでもない。パパに万一のことがあっても、パパもしっかり保険に入っていれば、それで教育費もまかなえます。それに、学資保険だけで教育費の全てを準備するわけではありませんので、それなりに貯金もしているはず。絶対に学資保険に入らなければ、ということはありませんので、今は様子をみたほうがよいと私は思います。その分、積立などできちっと貯金していけばいいのですから。
それでもどうしても、お守り代わりに入りたい、という場合もあるでしょう。元本割れするとはいえ、9割以上の払込保険料が戻ってくるのだから、銀行積み立てだとどうしても貯まらない、という人にも向いているかもしれません。私は、今となっては少しは入っておけばよかった・・・と思っている一人(笑)
また、もしある程度まとまったお金があれば、契約時に保険料をまとめて払うことで、多少割引が効いてお得になります。その方法として、「一時払い」と「全期前納」の二種類があります。おすすめなのは、「全期前納」。満期になる途中に、契約者(=パパ)に万一のことがあったり、高度障害になって保険料支払いが免除になった場合に、その時点以降の、残りの期間の保険料が戻ってくるからです。
また、18年分全部払わなくても、半年分、1年分、数年分だけでもまとめて払うと、少しはお得になります。前納割引というものですが、これは保険会社によって割引率や取り扱いが異なりますので、確認してみてください。
そのほか注意点として、二つ。
一つは、満期受取の時期をよく確認してから加入すること。一番お金のかかる大学入学時に間に合わなければ、意味はありません。
もう一つは、契約者(=パパ)の誕生日に気をつけること。国内生保の場合は、誕生日から半年過ぎると、契約年齢が1歳上がって保険料が高くなります。簡保の場合は、4月の新年度になると1歳上がります。外資系は実年齢で計算されることが多いようです。保険料を押さえたいなら、少しでも年齢が若いうちに契約すること。
こども保険
学資保険と似ていますが、ちょっと違います。学資保険は普通、生まれてすぐか、遅くとも小学校入学前までに加入することが多いですよね。こども保険は、その時期に加入しなかった、小学生から中学生くらいの子供がターゲットの商品です。
学資保険との違いは、子供の死亡保障がしっかりついていること。養老保険と定期保険の組み合わせで構成されるパターンがほとんどですので、500万、1000万と、子供にしては高額の保障になります。ただ、子供の死亡に備えるなんて、親としては考えたくないし、保険金をあてにするようなこともありませんよね。この部分は無駄だと思います。
じゃあ、貯蓄性が高いかというと、そうでもない。3年や5年ごとなど、定期的に祝い金がでますが、予定利率が最低なのはどの保険も一緒ですし、払った以上に増えるなんてことはまずありません。つまり、保障は無駄、貯蓄性も良くない、と、中途半端な保険なのです。
これに入るなら、早めに300万くらいの終身保険に入れておくほうがよっぽどましだと、個人的には思います。
こども共済
共済は安い、という話をよく聞くと思いますが、共済って何?と聞かれると、イマイチわからないことが多いものです。
共済とは、国の認可を受けて相互扶助を目的に、保険事業を行う非営利団体のこと。JA共済、全労済、都道府県民共済、CO-OP共済の4大共済が代表的なものです。非営利ですので、事業運営のために、組合員になって出資金を払うのが契約の条件。
組合員?出資金?なんて聞くと、ちょっと加入を尻込みしてしまいますが、中身はとても充実しています。子供向けの共済をちょっと見てみましょう。
なかなか充実した内容でしょ?しかも、家計に優しいお手軽な掛け金。さらに、通常は毎年割戻し金があります。割戻し金とは、毎年決算時期に、予想より入院や死亡が少なくて、集めた掛け金が余ったりして、剰余が発生した時に、契約者に返すお金。例えばこくみん共済なら、この割戻金が毎年掛け金の3割ほどにもなるのですから、実質的な負担はもっと安くなります。
生協の場合は、出資金がやや高めですが、すでに食品などで生協を利用している場合は、新たに出資金を払う必要はありません。また、加入している生協によっても、出資金の額が異なりますので確認してみてください。
(関東の方なら、生協の宅配パルシステムがおススメです。子供が小さい間は、個別配達手数料なども無料ですし、食材の安全性にもかなり意識している生協で、私も関東にいたときはお世話になっていました。安全性も重視したいけど、もっと安くて幅広い商品が欲しい、という場合はコープネット事業連合がおススメです。)
それと、共済の良いところは、保障が随時見直しされることです。終身タイプの保険ではないので、不安だと思われる方も多いかもしれませんが、逆に、毎年更新をすることで、より良い内容の保障に、自動的に変更されます(もちろん、新たに診査を受ける必要はありません)。例えば、全労済のキッズタイプの場合、従来は、入院は5日目から保障だったのですが、2007年4月の制度改定で、1日目から保障されるように変わりました。以前から入っていた人も、自動的に改定されます。一度契約したらずーっとそのまんま、という更新の無い保険との大きな違いですね。
共済に共通して特徴的なのは、個人賠償責任がついていること。これはどういうものかというと、例えば、買物途中に子供がお店の高価なものを壊した、とか、けんかしてよその子供に大怪我させた、とか、ボール遊びをしていて高級車に傷をつけた、とか、賠償責任が発生した場合、その損害賠償請求金額に応じて支払われるというもの。
つい最近、子供が学校のグランドでサッカーボールをゴールに向かって蹴ったところ、学校の外に飛び出してしまい、それをよけようとしたバイクの方が転んで、結果的に亡くなられたという、悲しい事故がありました。この場合、裁判で子供に過失があるとされ、保護者に賠償責任があると判決が出ました。金額は1500万円。(2011年7月の時点で少年側が控訴)
亡くなられた方のご遺族の気持ちをお察しすると辛いです。しかし、違法な行為をしていたわけでもないのに、未成年である小学生に過失があるとされ、事故が直接の死因ではないのに、因果関係があるとされ・・・子供を持つ親としては、ちょっと厳しすぎるのでは、とも感じます。が、現実の判決です。お金でご遺族の気持ちが救われるわけではありませんが、何もできないよりは・・・わずかの掛け金で備えられるのであれば、迷わずおススメしたいです。
CO-OP共済の場合はオプションになっていて、月100円プラスしないといけませんが、たった100円で、一家全員の賠償責任が保障されるのです。実は我が家も、三男がこれに加入しているんですが、パパが誤って他の方の車に傷をつけてしまい・・・無事、補償してもらえて一安心でした。
JA共済にも同じような商品がありますが、細かく見ると内容が違いますので、よく確認してみてくださいね。
資料はこちらから請求できます。
→ コープ共済
→ 全労済・都民共済はこちら
積立利率変動型終身保険
最近外資系がよく勧めるのが、ママを被保険者にして、15年くらいで払い終わるような積立利率変動型終身保険に加入し、学資資金が必要になったときに、とりくずす、というもの。もし学資金が必要なければ、そのままママの終身保険として続ければ良い。途中でママに万一のことがあった場合も、保険金がおりる。
…ということなんですが、今後景気が良くなれば、悪い商品ではないと思います。ただ、私は、目的があいまいな保険というのは、あまり好きではありません。学資なら学資、というほうが好き。それに、今の予定利率のままだと、払込終了直後に取り崩しても、元本を割っています。必ず予定利率が上昇する、と考えて契約しても、ちょっと不安が残るものです。ちょっと上級者向きの保険かなあ、という気がします。
保険はあくまでも、ご自分の管理できる範囲内で契約しましょう。
あなた自身の財産なのですから。
以上、子供の保険についていろいろ見てきました。
結論としては、
・医療保障は、一番手軽で保障も厚い共済を利用
・学資金の準備は、基本的には預貯金で、どうしても貯められない人や、まとまったお金がある人は学資保険を利用する
といったところでしょうか。
あ〜ほんと、学資保険入っておけばよかった・・・(意志が弱くて貯められない私!)
この記事は参考になりましたか?
↓他にも、家計管理や貯蓄・保険最新情報など、いろいろ参考になる記事が満載です♪
まとめてみました。
種類 | 目的 | 取扱 |
学資保険 | 教育費準備がメイン | 生保会社各社・郵便局 |
こども保険 | 貯蓄性・保障性は半々 | 生保会社各社 |
こども共済等 | 医療保障メイン | 共済組合等 |
子供が生まれるとまず、保険をどうしようか、と悩みますね。これが、ほんの少し前までは、何も悩む必要が無かったんです。何しろ、予定利率がものすごく高かったので、学資保険にとりあえず入っておけば、何十万円も簡単確実に増えたものです。それに医療特約でもつけておけば、病気や怪我も備えることができたし。
しかし、今は違います。予定利率は最悪です。貯蓄目的で保険に入る時代ではない、というのは、パパの保険、ママの保険でもいっしょでしたよね。
では、それぞれの保険のメリット・デメリットについて、一つずつ、見ていきましょう。
学資保険
多くの保険会社で取り扱っている保険です。教育費の準備がメインの目的で、15歳満期、18歳満期、22歳満期の他、大学入試前に満期が来る17歳満期というのを用意している保険会社もあります。また、満期時に一括してお金を受け取るものと、小・中・高の入学時などと満期時と、数段階にわけて受け取るものがあります。
教育費を少しでも有利に増やすのが目的だったこの保険、はっきり言って、今加入しても、ほとんどの保険会社では、お金は増えません。というか、減りこともあります。予定利率が低すぎるからです。実際、見てみるとよくわかると思います。
ちょっと前のデータですが、参考になるでしょうか。国内大手生保2社、外資系1社、郵便局と、合計4種類の商品で、実際に設計書を作ってもらいました。予想以上に増えないのにビックリ…。
(契約者男性30歳、男児0歳、18歳満期で、一番安くはじめられる契約金額からの例)
月々の保険料 | 総払込保険料 | 総受取保険金 | 返戻率 | |
国内N社 | 6675円 | 約136万円 | 約126万円 | 約92% |
国内D社 | 9918円 | 約214万円 | 約200万円 | 約93% |
郵便局 | 2390円 | 約51万円 | 約50万円 | 約98% |
外資S社 | 4410円 | 約89万円 | 約100万円 | 約112% |
と、このような感じです。
これは平成14年3月の時点の保険料なので、それ以降加入する場合、予定利率が変更になっていれば変わります。また、契約者や子供の性別・年齢によって変わりますし、医療特約や育英年金をつければまた高くなります。一つの目安と思ってください。
国内生保及び郵便局は、現時点では元本割れしていますが、今後景気が良くなれば、配当金がつく可能性もないとは言い切れません。(決して配当金をあてにはできませんが)
一つ注目したいのは、外資系S社、ソニー生命です。配当金の少ないタイプですが、ここだけは増えます。また、最近人気が出てきたのが、がん保険で有名なアフラックが発売した、夢みるこどもの学資保険です。返戻率もソニー生命に負けませんし、大学入学後の学資金を毎年受け取れる、というのがなかなか便利。考えてるな〜と思います。
こういった外資系の学資保険は、銀行で積み立てるよりもいいです。ただ、デメリットもあります。途中で解約した場合は、大きく損をするということ。もし仮に、今後数年間の間に景気が飛躍的に向上し、有利な金融商品やどんなに増える保険ができても、解約して他の保険にかけかえては損になりますから、我慢してとっとかなくてはいけないんです。また、保険会社にも倒産のリスクはありますから、そうなると大幅に減る可能性もあります。
ところで、貯蓄目的なのに、学資保険が元本割れする学資保険が多いのはどうしてなのでしょうか?それは、「貯金」ではなく「保険」だから。保障が組み込まれている分、保険料が入っているからですね。この保障は、被保険者(=こども)の保障と、もう一つは、契約者(=パパ)の保障のことを指します。
普通の生命保険は、被保険者(保険をかけられている人)が亡くなった場合に、死亡保険金が支払われます。学資保険の場合は、被保険者(=こども)が亡くなった場合は、死亡保険金が出るタイプと、それまでに払った保険料の分だけが戻ってくるタイプの2種類があります。つまり、子供の死亡保障がついているか、いないかということですが、ついていない場合のほうがもちろん保険料は安いです。
また、契約者(保険をかけている人)つまりパパが亡くなったときに、残りの保険料を免除するというおまけがついていますし、さらに、育英年金という特約をつけておけば、学資金だけでなく、年60万円とか、あらかじめ設定しておいた年金が、満期まで毎年もらえる。パパが生きていても、万一のことがあっても、教育費だけは心配ない、ということになるわけですね。
ただ、必ずしもそれが必要か、というとそうでもない。パパに万一のことがあっても、パパもしっかり保険に入っていれば、それで教育費もまかなえます。それに、学資保険だけで教育費の全てを準備するわけではありませんので、それなりに貯金もしているはず。絶対に学資保険に入らなければ、ということはありませんので、今は様子をみたほうがよいと私は思います。その分、積立などできちっと貯金していけばいいのですから。
それでもどうしても、お守り代わりに入りたい、という場合もあるでしょう。元本割れするとはいえ、9割以上の払込保険料が戻ってくるのだから、銀行積み立てだとどうしても貯まらない、という人にも向いているかもしれません。私は、今となっては少しは入っておけばよかった・・・と思っている一人(笑)
また、もしある程度まとまったお金があれば、契約時に保険料をまとめて払うことで、多少割引が効いてお得になります。その方法として、「一時払い」と「全期前納」の二種類があります。おすすめなのは、「全期前納」。満期になる途中に、契約者(=パパ)に万一のことがあったり、高度障害になって保険料支払いが免除になった場合に、その時点以降の、残りの期間の保険料が戻ってくるからです。
また、18年分全部払わなくても、半年分、1年分、数年分だけでもまとめて払うと、少しはお得になります。前納割引というものですが、これは保険会社によって割引率や取り扱いが異なりますので、確認してみてください。
そのほか注意点として、二つ。
一つは、満期受取の時期をよく確認してから加入すること。一番お金のかかる大学入学時に間に合わなければ、意味はありません。
もう一つは、契約者(=パパ)の誕生日に気をつけること。国内生保の場合は、誕生日から半年過ぎると、契約年齢が1歳上がって保険料が高くなります。簡保の場合は、4月の新年度になると1歳上がります。外資系は実年齢で計算されることが多いようです。保険料を押さえたいなら、少しでも年齢が若いうちに契約すること。
こども保険
学資保険と似ていますが、ちょっと違います。学資保険は普通、生まれてすぐか、遅くとも小学校入学前までに加入することが多いですよね。こども保険は、その時期に加入しなかった、小学生から中学生くらいの子供がターゲットの商品です。
学資保険との違いは、子供の死亡保障がしっかりついていること。養老保険と定期保険の組み合わせで構成されるパターンがほとんどですので、500万、1000万と、子供にしては高額の保障になります。ただ、子供の死亡に備えるなんて、親としては考えたくないし、保険金をあてにするようなこともありませんよね。この部分は無駄だと思います。
じゃあ、貯蓄性が高いかというと、そうでもない。3年や5年ごとなど、定期的に祝い金がでますが、予定利率が最低なのはどの保険も一緒ですし、払った以上に増えるなんてことはまずありません。つまり、保障は無駄、貯蓄性も良くない、と、中途半端な保険なのです。
これに入るなら、早めに300万くらいの終身保険に入れておくほうがよっぽどましだと、個人的には思います。
こども共済
共済は安い、という話をよく聞くと思いますが、共済って何?と聞かれると、イマイチわからないことが多いものです。
共済とは、国の認可を受けて相互扶助を目的に、保険事業を行う非営利団体のこと。JA共済、全労済、都道府県民共済、CO-OP共済の4大共済が代表的なものです。非営利ですので、事業運営のために、組合員になって出資金を払うのが契約の条件。
組合員?出資金?なんて聞くと、ちょっと加入を尻込みしてしまいますが、中身はとても充実しています。子供向けの共済をちょっと見てみましょう。
CO-OP共済 たすけあいジュニア18コースJ1000円コース | 全労済こくみん共済 キッズタイプ | 都道府県民共済 生命共済 こども型 | |
加入者数(全体) | 538万人 | 1390万人 | 1600万人 |
加入年齢 | 0歳〜満18歳 | 0歳〜満14歳(満18歳まで継続可) | 0歳〜満18歳 |
掛け金 | 1000円 | 900円 | 1000円 |
割戻金 | 約19%(平成17年度) | 約36%(平成16年度) | 約31%(平成17年度) |
入院 | 日額6,000円 | 日額5000円 | 日額5000円 |
保障日数 | 1日目から360日 | 1日目から365日 | 1日目から360日 |
長期入院 | 36万円(270日以上) | ||
手術 | 5・10・20万円 | 2・5・10・20万円 | |
ケガ通院 | 日額2,000円 | 日額2,000円 | 日額2,000円 |
骨折等 | 一回50,000円 | ||
病気重度障害 | 200万円 | ||
事故後遺障害 | 14〜350万円 | 8〜180万円 | 8〜200万円 |
交通事故後遺障害 | 14〜350万円 | 12〜270万円 | 12〜300万円 |
重度障害割増 | 一回50万円 | ||
先進医療 | 最高50万円 | ||
介護 | 200万円 | ||
事故死亡 | 150万円 | 400万円 | 400万円 |
交通事故死亡 | 150万円 | 600万円 | 500万円 |
病気死亡 | 100万円 | 200万円 | 200万円 |
親死亡 | 4万円 | 30万円 | 50万円 |
親事故死亡 | 100万円 | 350万円 | 350万円 |
個人賠償責任 | 最高1億円(毎月100円保険料プラス) | 最高100万円 | 最高100万円 |
・事故、交通事故死亡には重度障害を含む ・骨折等には腱の断裂、関節の脱臼を含む ・平成19年1月現在の内容、その後変更の可能性あり | |||
加入の方法 | 生協を通して加入。引越しなどで生協が変わる場合は、速やかに移転手続きをしないと保障が切れる。 | 直接申込書を送付するか、銀行・コンビニなどで加入。 | 直接申込書を送付するか、銀行などで加入。 |
給付金の請求 | 生協の担当者がその場で手続きをしてくれる。郵送ではないので、支払いが比較的早い。 | 電話で書類を請求、手続き書類に記入して送付。記入ミスなどがあるとやり取りに時間がかかることがある。 | 電話で書類を請求、手続き書類に記入して送付。記入ミスなどがあるとやり取りに時間がかかることがある。 |
特徴 | 入院が一日目から出る。個人賠償責任の額が多い。「ぜんそく」「そけいヘルニア」「斜視」「心理的発達の障害」など既往症があっても、条件付で加入できる場合がある。 | 入院・通院を問わず、骨折などで一律5万円が出る。交通事故の保障が多い。介護を要するときにも死亡と同額の保障が出る。 | 健康保険が適用されない先進医療の技術料の自己負担分も限度額の範囲内で出る。 |
コメント | 担当者が必ず顔を出してくれるという安心感もあり、生協を日常的に利用する人には手続きなどがとても便利。入院が一日目から支払われるのも安心。個人賠償責任も、掛け金100円の追加で最高1億円、家族全員保障してくれるのでありがたい。条件付の加入が認められているのが親切。ただし、生協の組合員でないと加入も継続できないので、各生協によって異なる出資金が必要となる。 | 子供に多いちょっとした骨折や脱臼の場合に、入院しなくても一律5万円もらえる点がポイントが高い。ただし、手術保障無しとなっているのが残念。こくみん共済には、他にも0歳から加入でき、将来終身医療保障もプラスできる医療共済がある。毎月100円の出資金が必要。 | 先進医療の保障や、重度障害割増など、大きな病気をした場合にはとても安心できる共済。入院保障が一日目からに改定されたのもうれしい。都道府県によって若干保障内容に差がある。 |
なかなか充実した内容でしょ?しかも、家計に優しいお手軽な掛け金。さらに、通常は毎年割戻し金があります。割戻し金とは、毎年決算時期に、予想より入院や死亡が少なくて、集めた掛け金が余ったりして、剰余が発生した時に、契約者に返すお金。例えばこくみん共済なら、この割戻金が毎年掛け金の3割ほどにもなるのですから、実質的な負担はもっと安くなります。
生協の場合は、出資金がやや高めですが、すでに食品などで生協を利用している場合は、新たに出資金を払う必要はありません。また、加入している生協によっても、出資金の額が異なりますので確認してみてください。
(関東の方なら、生協の宅配パルシステムがおススメです。子供が小さい間は、個別配達手数料なども無料ですし、食材の安全性にもかなり意識している生協で、私も関東にいたときはお世話になっていました。安全性も重視したいけど、もっと安くて幅広い商品が欲しい、という場合はコープネット事業連合がおススメです。)
それと、共済の良いところは、保障が随時見直しされることです。終身タイプの保険ではないので、不安だと思われる方も多いかもしれませんが、逆に、毎年更新をすることで、より良い内容の保障に、自動的に変更されます(もちろん、新たに診査を受ける必要はありません)。例えば、全労済のキッズタイプの場合、従来は、入院は5日目から保障だったのですが、2007年4月の制度改定で、1日目から保障されるように変わりました。以前から入っていた人も、自動的に改定されます。一度契約したらずーっとそのまんま、という更新の無い保険との大きな違いですね。
共済に共通して特徴的なのは、個人賠償責任がついていること。これはどういうものかというと、例えば、買物途中に子供がお店の高価なものを壊した、とか、けんかしてよその子供に大怪我させた、とか、ボール遊びをしていて高級車に傷をつけた、とか、賠償責任が発生した場合、その損害賠償請求金額に応じて支払われるというもの。
つい最近、子供が学校のグランドでサッカーボールをゴールに向かって蹴ったところ、学校の外に飛び出してしまい、それをよけようとしたバイクの方が転んで、結果的に亡くなられたという、悲しい事故がありました。この場合、裁判で子供に過失があるとされ、保護者に賠償責任があると判決が出ました。金額は1500万円。(2011年7月の時点で少年側が控訴)
亡くなられた方のご遺族の気持ちをお察しすると辛いです。しかし、違法な行為をしていたわけでもないのに、未成年である小学生に過失があるとされ、事故が直接の死因ではないのに、因果関係があるとされ・・・子供を持つ親としては、ちょっと厳しすぎるのでは、とも感じます。が、現実の判決です。お金でご遺族の気持ちが救われるわけではありませんが、何もできないよりは・・・わずかの掛け金で備えられるのであれば、迷わずおススメしたいです。
CO-OP共済の場合はオプションになっていて、月100円プラスしないといけませんが、たった100円で、一家全員の賠償責任が保障されるのです。実は我が家も、三男がこれに加入しているんですが、パパが誤って他の方の車に傷をつけてしまい・・・無事、補償してもらえて一安心でした。
JA共済にも同じような商品がありますが、細かく見ると内容が違いますので、よく確認してみてくださいね。
資料はこちらから請求できます。
→ コープ共済
→ 全労済・都民共済はこちら
積立利率変動型終身保険
最近外資系がよく勧めるのが、ママを被保険者にして、15年くらいで払い終わるような積立利率変動型終身保険に加入し、学資資金が必要になったときに、とりくずす、というもの。もし学資金が必要なければ、そのままママの終身保険として続ければ良い。途中でママに万一のことがあった場合も、保険金がおりる。
…ということなんですが、今後景気が良くなれば、悪い商品ではないと思います。ただ、私は、目的があいまいな保険というのは、あまり好きではありません。学資なら学資、というほうが好き。それに、今の予定利率のままだと、払込終了直後に取り崩しても、元本を割っています。必ず予定利率が上昇する、と考えて契約しても、ちょっと不安が残るものです。ちょっと上級者向きの保険かなあ、という気がします。
保険はあくまでも、ご自分の管理できる範囲内で契約しましょう。
あなた自身の財産なのですから。
以上、子供の保険についていろいろ見てきました。
結論としては、
・医療保障は、一番手軽で保障も厚い共済を利用
・学資金の準備は、基本的には預貯金で、どうしても貯められない人や、まとまったお金がある人は学資保険を利用する
といったところでしょうか。
あ〜ほんと、学資保険入っておけばよかった・・・(意志が弱くて貯められない私!)
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↓他にも、家計管理や貯蓄・保険最新情報など、いろいろ参考になる記事が満載です♪
2011.07.18 Monday
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