作り方4 シングルの保険
独身の方に保険をオススメすると、保険は結婚してから…という声をよく聞きます。

「どうせ自分が死んでも、誰も困らないし…。」

illust4032thumb.gif確かに、悲しむ人はたくさんいても、金銭的に困る人はいないかもしれませんね。でも、病気になった時、体が不自由な状態になった時、少しでも親に迷惑をかけないために、最低限の保障はしておきたいものです。あなたをここまで大切に育ててくださったのだから。

それから、将来の大事な家族のためにも、保険の基礎を固めておきましょう。いざ、結婚して、家族を守るために保険に加入しようとしても、それまでに病気をしたりしていれば、新たな保険の加入が難しくなる場合があります。


若いこの時期というのは、保険の基礎を築く上でとても大事なとき。病気の心配や経験も少ないから、診査も簡単にすむことが多いし、終身タイプの保険料は、加入したときの保険料がずっと続きますので、若い時に加入しておけば、あとあと保険料が安く済むので楽なのです。

illust4204thumb.gifただ、独身時代は、一番貯金ができる時代でもあります。たくさん保険料を払いすぎて、結婚資金すら貯まらない、というのは本末転倒。特に、社会人になってすぐの頃は、保険会社からの営業攻撃がすごいので、よく内容を理解しないまま契約してしまい、無駄な保険料を払っている可能性大です。適切な保険料で、一番自分に合った保険を、ちゃんと考えてみましょう。


とりあえず用意しておきたいのは、

1 お葬式代
2 一時金
3 医療保障

の3つです。一つずつ見ていきましょうね。

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1b.gifお葬式代

まだまだ若い…そう思っていても、早かれ遅かれ、万一のことは誰にでも起り得ます。基本的に、葬儀費用は、年齢・性別にかかわらず、いつ亡くなっても必要になるものですね。死は誰にでもやってくるものですから、「必ず必要なお金」とも言えると思います。(自分のお葬式はしなくていい!という人も、その旨遺言としておかないと、遺族に意志が伝わっていなければ、やっぱりお葬式はすると思います)。

だいたい300万円もあれば、遺族に迷惑をかけることなく、立派なお葬式があげられます。これに一番適した保険は「終身保険」です。何歳で亡くなっても確実に支払われます。途中で解約しないという前提であれば、損をすることもほとんどないでしょう。

それに、終身保険は、これから先においても、必要な保障のベースとなる保険です。遺族の生活費や医療への備えは、健康で長生きすれば、もしかしたら必要ないものになるかもしれませんが、死は必ず訪れるものだから、それに対しての備えは、どんな形であれ、必ず必要となるのです。

illust3470thumb.gifただし、終身保険は保険料が高いです。多めに準備する必要はありません。多くとも300万円程度加入しておけば十分だと思います。現在は特に予定利率が悪いので、500万円も1000万円も加入するのはオススメできません。保険料負担も大きくなります。足りなければ、あとあと予定利率が良くなってから追加で加入したり、預貯金で補ってもよいのです。


大事なのは、今、保険でも預貯金でも、最低限のお葬式代を用意しておく、ということです。また、葬儀費用としての準備ですから、途中で解約することを前提としないので、積立利率変動型終身保険や、変額終身保険を利用するのも良いと思います。こういった変額型の保険は、予定利率が一定では無く、保険会社の実績によって、保険金額や解約返戻金が上下するのですが、万一のことがあった場合は、きちんと最低限保障されており、なおかつ普通の終身保険よりも単価が安くなっています。

また、保険料の払込期間は、できるだけ定年のときに合わせましょう。長くすると、月々の負担は少しだけ減りますが、結局支払う保険料の総額は多くなってしまいます。短すぎても、月々の保険料が高くて、結局続けられなくなってはいけません。

illust2271_thumb.gifもしすでに、定期保険特約付き終身保険(定期付き終身)の更新型に加入してしまっている場合。最近の定期付き終身は、主契約となる終身保険がすごく少なく設定されている場合がほとんどだと思います。多くても100万、200万円でしょう。そのほうが安いから、若い世代には勧めやすいのです。そういう場合は、定期保険特約や医療特約をすべて解約すると、終身保険のみのシンプルな保障になります。恐らく保険料は1000円から2000円くらいになると思いますので、そのまま葬儀費用としてとっておいてOK。保険料に余裕ができれば、後から、300万円くらいまで増額すればいいのです(ただし保険会社の規定により、できない場合もあります)。特に友人セールスマンとのお付き合いで加入している場合、すべて解約してしまうより、主契約だけ残して減額するほうが、私の経験上、カドがたちません(笑)。

注意したいのが、少し前からはやりの、終身移行タイプの保険に加入している場合。これは、主契約が終身保険ではなく、生存保険というものです。生存保険は、満期時に生きている場合のみ保険金が支払われます。つまり、死んでも一円も出ないということ。だから、必ず死亡しても支払われる定期保険特約とセット。

このタイプは主契約だけを残すということは出来ませんし、また、満期まで持っていても、いったいいくらの保険金になるのか、はっきりとはわかりません。設計書には書いてありますが、確定ではないのです。10年など、更新ごとに利率が変動してしまうからです。契約や見直しの際には、十分な検討が必要。お葬式代だけ準備すればいい場合には、適切ではありません。

お葬式代準備のポイント

・終身保険を利用する

・保険会社倒産のリスクもあるので、最低限必要な保障だけを準備する
・積立利率変動型終身保険や、変額終身保険も視野に入れる
・保険料払込期間は、定年に合わせる



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2b.gif一時金
通常、誰かを養っているわけではない限り、多額の保険金を残す必要はありません。特にシングルの場合はそうだと思います。

illust371_thumb.gifただ、私は独身の時にも、ある程度の死亡保障を準備していました。なぜかというと、私の父のため。私の母がすでに他界していたので、もし私が早くに死んでしまったら、残された父の老後の生活がどうなるかと思うと不安だったからです。一人暮らしの老人に、お金があるかないかでは安心感が全然違うと思います。私には弟もいますが、男の人は仕事が大事だから、なかなか親の老後の面倒は見るのは難しいでしょう。弟のお嫁さんに頼るわけにもいかないし。これは、父がそう希望したわけではなく、私が勝手に思ったことなので、全ての人に当てはまるわけでは当然ありません。

illust1004_thumb.gifまた、私のかつてのお客様の中には、女手一つで自分を育ててくれた母親に、お金を残したいという人もいました。父親は若いときにガンでなくなったので、保険の重要性もよくわかるから、ということでした。他には、苦労して大学まで出してもらったのだから、せめてかかった学費分くらいは親に残したい、という人もいました。


必要な保険が一人一人によって違う、というのは、こういった気持ちの問題によるところも大きいのです。例え独身であっても、個人個人の不安点や、お金を残したいという希望満たすためには、必要な保障は違ってきます。これは、セールスレディやファイナンシャルプランナーがどうこう言う問題ではなく、あなた自身で考える、価値観の問題。あなたにとって必要な保障、残しておきたい保障を、ゆっくり考えてみてくださいね。

あと、死亡保障というと、「死んだときに出る」とだけ思っている人が多いですが、実はそうではありません。通常、死亡保険金は、「高度障害状態」になった場合にも出ます。どういうときかというと、「両目を失明した」とか、「下半身不随になった」とかの場合です。

illust401_thumb.gif公的年金をしっかり払っていれば、このような状態になったときには、国から「障害年金」が支給されます。ただし、金額は月に13〜14万円程度。本当に生きていくだけの金額です。親と一緒にいればそれでも良いかもしれませんが、年をとって、親の方が先に亡くなってしまったら、ちょっと不安な金額です。また、車椅子生活になった場合に、住宅をバリアフリーに改造したりするのにも、それなりのお金がかかります。心配だと思う方は、保険で準備してもいいのかもしれません。

こういった保障を準備するには、10年程度の定期保険が良いでしょう。シングルのうちは、将来のライフプランも何も立てられませんので、見直しがしやすく掛け金が安い定期保険が一番。今はおすすめできませんが、もう少し予定利率が良くなれば、貯蓄をかねて養老保険でもいいかもしれません。

一時金準備のポイント

・定期保険を利用する

・残したい保障、高度障害の保障の必要性を考えてみる


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3b.gif医療保障
万一のときのことはなかなかピンときませんが、医療保障となるとなんとなくイメージがわきますね。例え若くても、怪我や事故の危険はもちろんあります。

illust4198thumb.gif仕事ができなくなって、有給休暇を使い切ってしまっても、クビにさえならなければ、最長で1年半は、だいたい月給の6割の収入は社会保険から保証されています。が、特に一人暮らしであれば、その間の家賃なども普通通りかかるわけですので、治療費を考えれば足りなくなる可能性大です(預貯金が十分にあれば、必要ない場合もあります)。

入院の必要の無い軽度の骨折や脱臼などであれば、それだけで5〜10万円もらえるような便利な商品もありますので、スポーツ好きな人は検討の余地アリですね。また、生命保険でなくても、傷害保険で準備するという手もあります。病気での入院は対象になりませんが、怪我に限定されている分、掛け金が断然安いですので。

illust326_thumb.gifけれど、若くても独身でも、病気の可能性ももちろんあります。ガンや脳血管疾患など、手術が必要でなおかつ高度な医療を必要とする場合は、集中治療室など個室に入りますので、差額ベッド代を1日一万円としても、10日入れば10万円。健康保険適用以外の費用が負担になります。

例をあげると、胃がんで33日入院、胃の全摘出手術を受けると、自己負担は40万円以上。くも膜下出血で77日間入院した場合は、100万円を超えると言われます。最近増えているのが、心の病。完治が難しく、入院が1年以上に及ぶ場合もあります。

また、このような大きな病気を患った場合、仕事に復帰しても今まで通り働けるかはわかりませんし、保険に加入すること事体難しくなります。そう考えると、貯金をとりくずして医療費に当てるのは心もとないですよね。

また、これから医療費制度が変わっていくにつれ、負担が増えることはあっても、減ることはないと思われます。できれば、一日当たり1万円程度の入院保障が欲しいところです。

通常、手術に関しては、入院給付日額の、10〜40倍が支払われる場合が多いようです。先ほどの胃がんで33日入院の例だと、一泊二日から支払われる保険に加入していたとして、入院33万円、手術40万円が支払われますので、合計73万円の給付。これなら医療費も生活費も大丈夫でしょう。貯金をとりくずすこともありませんね。

最近人気なのがガン保険です。少なくとも、日本人の3人に1人はガンにかかる時代ですので、若いからと言って、決して他人事ではありません。身内にガンにかかった人がいれば、なおさら心配のことと思います。ガン保険は、解約金や死亡保障のほとんどないタイプだと、かなり割安な保険料で加入することができます。若いときに加入すれば、保険料も月々1000円台のものからあるでしょう。

illust2169_thumb.gifできれば、保険料が一生変わらないタイプを選ぶこと。10年更新などのタイプだと、年齢が上がってガンの危険が増えるにつれ、保険料も倍増していきます。また、保険期間はできるだけ一生涯にしたいですね。高齢になればなるほど、病気になる確率は高いものです。老人医療の制度も、年々負担が増大する傾向にあります。介護してくれる人のことを考えても、医療費くらいは自分で準備しておきたいですよね。

ただし、保障は一生涯でも、保険料の払込は、できるだけ60歳の定年までに押さえたいもの。単品の医療保険に関してはそれが可能ですが、生命保険の特約として医療保障をつけている場合、80歳まで保障を続けたいと思うと、生命保険の払込満了時に、一括してその後の特約保険料を納めるか、分割して年払にする必要があります。いくらぐらいになるのか、生命保険会社に確認してみて、とても払いきれないような金額であれば、見直しを検討する必要があります。

とにかく、この医療保険の分野は、様様な保険会社が、いろいろ新しい商品を開発している真っ只中です。目移りすることも多いかもしれませんが、基本は入院・手術の備え。あれこれ欲張らず、本当に必要なものだけを選びましょうね。

医療保障の準備のポイント
・できれば一日当たり5000円〜1万円の入院保障を
・保障は一生涯、保険料支払いは定年までに終える
保険料は一生変わらないタイプを選ぶ



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では、ここで少し整理してみましょう。

必要な保障必要な期間必要な金額適した保険
お葬式代一生涯200〜300万円終身保険
一時金結婚するまでケースバイケース定期保険
医療保障一生涯

一日5千円程度

医療保険、医療特約


となりますね。あとは、それぞれにぴったりの保険をプランニングするだけ。
一つの保険会社で、ちょうどよい金額が準備できるのにこしたことはないのですが、無理に一つにまとめる必要はありません。20代なら、最低限必要なお葬式代+医療保障で月々5000円程度の保険料ではないでしょうか。あとは、貯金をするなり、安心のために保障をプラスするなり、自分で考えてみましょう。

考えがまとまったら、プランニングシートへ。

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2011.07.18 Monday
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