ガン保険って、本当に必要?
1 降水確率50パーセント

illust554_thumb.gifこれから大切な用事で出かけます。念のため天気予報を見たら、降水確率が50パーセント。さて、あなたは傘を持って出かけますか?

なんだ、半々かあ、傘なんて面倒だからい〜らない、降りだしてから考えるよ、という人もいれば、いやいや、大切な日だから、濡れたら困る、ちゃんと持っていくよ、という人もいるでしょう。

illust552_thumb.gif一体何の話?と思われるかもしれません。でも、ガン保険について考えるきっかけにはなるでしょう。そう、50パーセントというのは、日本人が生涯の間でガンにかかる確率なのです。そして、日本人の死因の30%はガン。もちろん、ガンは日本人の死因のトップでもあります。交通事故や、自殺による死亡が何人だったとか、毎年話題になりますが、その数はガンで亡くなる方よりもずっとずっと少ないのです。

でもそれって、歳をとってからの話でしょ、と思われるかもしれません。でも、意外にも、30代の方の死因のトップは、ガンなのです。30代で亡くなる方の、実に5人に1人くらいの方は、ガンが原因で亡くなっています。そして、30代以降、80代まで、ガンは死亡原因の第一位となっているのです。決して他人事ではないのです。

今の天気は晴れ。でも、急に雲行きが怪しくなり、瞬く間に雨が降り出した。その時に、あなたが、たとえ折り畳みのような小さなものでも、傘を持っているかどうか。つまり、ガンに備えているかどうかで、あなたのその後の人生に、多少なりとも影響が出ることは間違いないと思います。

さて、それでもあなたは、一度しかないあなたの大切な人生に、傘なんて面倒だからいらないと思いますか?それとも、一本くらいは用意しておこう、という気になりました?

illust4051thumb.gif私は、初めて自分の友人の葬儀に参列したとき、決して他人事ではないと痛感しました。彼女はまだ30代になったばかり、かわいい男の子を授かり、マイホームを新築し、二人目が欲しいと話していた矢先に、彼女を乳がんが襲いました。2年間の闘病でした。彼女の一人息子が、あどけない笑顔で母の棺に花を捧げる姿を、私は決して忘れません。

それから、毎年のように、私の大切な友人がガンにかかった話を聞きます。つい最近も一人。私はまだ30代ですが、直接話を聞いただけで、同世代の友人がもう6人もガンになりました。次は私かもしれない、と本当に思っています。

2 ガンになったらいくらかかるの?

ガンが思ったより身近な病気であるということは、なんとなく実感していただけましたか?ガンは遺伝や家系だからではなく、どんな人にも起こり得る病気です。でも、早期に発見されれば、7割の方が治るというデータもあります。早期発見には、日ごろから自分の健康について関心を持ち、健康診断などを定期的に受けることが大事です。そしてもし、ガンが発見されたら、直ちに病気と闘って行かねばなりません。それには、一体どれくらいのお金がかかるのでしょうか。

ある方のケースを見てみましょう。
胃ガンで36日入院した35歳男性(生命保険文化センターの資料より)
・・・・胃の全摘術を受け、直後の15日間は個室、12日間は絶食。
1 かかった医療費(健康保険適用分3割負担)45万8030円
  入院時食事代(1日780円)1万8720円
2 その他の自己負担(健康保険適用以外)
  ・差額ベッド代15万円
  ・見舞時の家族の交通費・食費 7万円
  ・雑費(衣類・快気祝いなど) 10万7000円
合計で80万3750円!


うう〜ん、やっぱり結構かかるものなのですね。
貯金だけでは厳しいかも・・・。

でもちょっと待ってくださいね。

健康保険には、「高額療養費」という制度があります。月収が56万円未満の方は、例え医療費が1ヶ月100万円かかったとしても、自己負担は1ヶ月8万円弱で済むのです(月収が56万円以上の場合は15万円弱)。入院が二ヶ月にまたがっていますので、医療費・食事代は合計15万5048円(健康保険や高額療養費の詳細はこちらをご覧ください)。
つまり、医療費だけ見ると、そんなにかからないものです。むしろ、医療費以外の自己負担、差額ベッド代や雑費にお金がかかってしまうものなのですね。

illust2169_thumb.gifこの男性のケースの場合、医療費とそれ以外の自己負担の合計は、結局50万円程度。仮に、入院一日目から1万円(手術給付あり)の医療保険に加入していたとしたら、合計76万円ほどの給付金がもらえることになします。な〜んだ、じゃあガン保険に入っていなくても、普通の医療保険だけで大丈夫だね、と思ってしまいそうですが、そう簡単にはいきません。

まず一つ目の問題。高額療養費でお金が戻ってくると言っても、それはきちんと請求する手続きをとってから、早くても3ヵ月後の話。それまでの間、病院は待っててくれませんので、自分で払っておかねばなりません(どうしてもどうしても払えない場合は、健康保険組合などが一時貸付をしてくれます)。また、病院も、短期間の入院なら「退院のときに払ってね」と言ってくれますが、一ヶ月以上にわたる長期の入院の場合は、10日ごと、1ヶ月ごとなど、入院途中でも入院費の請求を受ける場合が多いのです。保険会社に入院給付金の請求をしても、通常は支払いまで10日前後はかかりますが、まだ退院していなくて、保険会社に給付金の請求をする前なのに〜、とあせってしまうことになります。つまり、健康保険や民間の医療保険に入っていても、それなりの用意が必要なのです。最近では、クレジットで支払いできる病院も増えてきましたが、支払い期日はカード会社によって違いますので、確認が必要です。

illust328_thumb.gifそれから二つ目の問題。ガンが健康保険の適用範囲内の治療で完治してしまえば、医療費はそんなにかかりません。ですが、健康保険の適用が認められている治療方法や薬だけでは、治療効果が見られない場合、まだ認可されていない抗がん剤などを使ってみてはと勧められる場合があります。こういった未承認の抗がん剤は、個人輸入になってしまうため税金や手数料、送料などがかさみ、高額の負担となります(種類によっては、1カプセル1万円、1本10万円〜20万円もします)。また、こういった健康保険対象ではない「保険外診療」を受けることを選択すれば、これまでに行った健康保険対象の治療まで全てが「自由診療」とされ、さかのぼって全てが自己負担となってしまいます。すると、この男性のケースだと、3割負担+高額療養費の適用で、15万円ほどで済んでいた医療費が、なんと150万円にも膨れ上がってしまうのです。もし、費用のために、助かるかもしれない命をあきらめなければならない・・・そういうった状況になってしまったら、本人も家族もとても辛い思いをするのではないでしょうか。現在、こういったケースに対応するため、「混合診療」について見直しがされています。今後は順次自己負担の仕組みが変わっていく予定ではありますが、現段階はこういった状況なのです。

illust582_thumb.gifそして三つ目の問題。医療費や入院に必要な費用だけではなく、それ以外にも目を向けてみましょう。例えば、収入が減ってしまうということ。出て行くお金が増えることだけではなく、入ってくるお金も減るのだということを、十分認識しておく必要があります。有給がたくさん余っていれば、入院中はそれを使えば基本給は減りません。ですが当然残業代は出ませんし、成績手当てやボーナス等の査定にも響いてくるでしょう。また、有給を使い切ってしまえば、会社の規定の療養休暇などを使うことになるのでしょうが、これもまた今までと同じお給料というわけにはいかないでしょう。さらにこういった休暇を使い切ってしまえば、傷病手当金といって、健康保険から1年6ヶ月間、お給料のだいたい6割の手当てが支給されます。独身の方ならまだなんとかなるでしょうが、妻や子供など、養う家族がいる場合、果たしてこの6割の収入でなんとかなるでしょうか。家賃やマイホームのローン、教育費など、どうしても削れない部分があるはずですよね。

それでもまだ、サラリーマンの場合は良いのですが、自営業の方の場合は、働けないということは当然収入は得られないということになりますから、問題はもっと深刻になります。また、小さな子供がいる母親がこういったケースになった場合も、子供を預けるための保育料や家事サービス料がかかることを覚悟してください。ベビーシッターや家政婦は一時間2000円かかってもおかしくありませんし、すぐに入れる民間の一時保育は、1ヶ月6〜7万円かかるのが普通です。

こう考えていくと、「普通の医療保険だけで大丈夫!」とは言えないのではないでしょうか。もちろん、貯蓄をしっかりしていればなんとかなる場合も多いとは思います。でもそのために、マイホーム用の住宅財形や積み立てくんを崩した、とか、教育費のための積立を取り壊した、とか、老後のための年金保険を解約した・・・ということにもなりかねません。こうなると、ガンにかかってしまったことで、今後の貯蓄計画やライフプランが大きく変わってきてしまいます。

illust3476thumb.gifそうならないためには、医療費や緊急時のためだけの貯蓄の枠を設けておく必要があります。でも、毎月いっぱいいっぱいの生活をしている家庭では、とてもそこまでの貯蓄はできないことも多いと思います(我が家もです・・・)。だけど、そういう家庭ほど、ガンにかかった時のダメージは大きい。なので、そういう場合に備えておくには、やはり「ガン保険」が必要になってくるのですね。こういうことを、リスクマネジメントと言うのです。

続いて、ガン保険選びのポイントや、いくつかのガン保険を見ていくことにしたいと思います。

3 ガン保険の選び方

さて、ガン保険の必要性について考えてみましたが、ガン保険と一言でいっても、いろんな保険会社からいろんな特徴のあるガン保険が発売されています。どのようなガン保険がいいのでしょうか。あくまでも私自身の考え方ですが、いくつかポイントをまとめてみましたので、参考になさってください。

1 診断給付金がある程度出ること

「診断給付金」というのは、病院で医師に「この病気はガンです」とはっきり診断されたときに、すぐにもらえるお金です。入院していなくても、手術する予定があるかどうかも関係なく、「ガン」と診断されたらもらえます。この診断給付金は、とても大事だと私は思います。ガンは、悪い部分をとってさえしまえば、後は普通の病気とそう変わりなく退院することが可能なんだそうです。

特に、年齢が若いうちにガンにかかると、進行が大変早いので、ほんの1ヶ月の間にも、大きな手術をしたり、効果的だと思われる抗がん剤を使用したりと、お金の心配をする暇も無く治療が開始されてしまいます。でも、根治のための手術をしてしまえば、あとは再発防止の投薬を受けたり、定期的に検診に通ったりすればよいのですから、そんなに長々と入院する必要は無いのです。交通事故や脳梗塞の後遺症でリハビリが必要になって、何ヶ月も入院、という場合とはちょっと違うのですね。

となると、入院して一日何万円ももらうよりは、入院日数や手術の有無や差額ベッド代うんぬんにかかわらず、まとめて100万円、とかの診断給付金をもらったほうが、治療費にも生活費にもはたまた民間療法にも、何の心配も無く自由にお金を使えるのでいいのではないか、と思います。

なので、この診断給付金がある程度(少なくとも100万円くらい)あったほうが、ガンにかかってしまったときのお金の心配がぐっと減るのではないでしょうか。

2 ガン保険と医療保険は分けて考えること

最近は医療保険にガンの保障がセットになっていることも多いです。でも、私は分けて考えたほうが良いのではないか、と思っています。なぜならば、ガン保険は、ガンと言う特別な病気だけの保障であり、今でこそ、治療に多額の費用がかかり、命にも係わる危険な病気で、実際日本人の死因のトップとなっていますが、今後ずっとこの状態が続くわけではない、と思うからです。

例えば、天然痘という病気は、致死率が高く恐ろしい病気でしたが、1977年のソマリアにおける患者発生を最後に、患者発生の報告がなく1980年5月に根絶宣言が出されました。また、かつては国民病と言われて死亡率が高かった結核も、まだまだ油断は出来ませんが、薬で治療できる病気となり、乳幼児へのツベルクリン反応検査は廃止されました。

ガンも、現在いろいろな研究が進んでいて、副作用の少ない抗がん剤の開発もニュースもよく聞きます。もちろんすぐに現在の状況が大きく変わることはないでしょうが、これから10年、20年、そして30年経ったときに、ガンの治療方法が今よりずっと改善され、他の病気と変わらないくらいになっているのではないかと私は期待しています。

そうなったとき、新しいタイプのガン保険に見直したり、不必要と判断されれば解約したりする選択肢を残しておいたほうが良いのではないでしょうか。もし、医療保険とガン保険が一体型のタイプであれば、そういった柔軟な対応は難しいかもしれないのです。

もちろん、ガンが恐ろしい病気ではなくなったとしても、もっと怖い新しい病気がどんどん出てくることと思います。でも、そのときはそれに対応した新しい保険も開発が予想されますから、ガン保険が不必要になったときには、思い切って解約して、別途新たな病気に対応した保険に加入する余裕も出てくるわけです。

こういった理由から、医療保険とガン保険は分けたほうがいいのでは、と私は思います。ガン保険自体は、保障の対象となる病気をガンに絞っていますので、そんなに保険料の高いものではありません。私は20代で契約しましたので、一生保険料は上がらず、月々1500円程度です。このくらいの保険料なら、医療保険と分けて契約しても、そんなに負担は感じません。ベースとなる医療保険がしっかりしていれば、オプションとしてのガン保険は、これくらいでよいと思っています。

3 「上皮内ガンも保障」にこだわる必要は無いこと

最近のガン保険は、「上皮内ガンでも保障されます!」ということを、大きく宣伝していることが多いようです。「昔のガン保険だと保障の対象にならないガン保険もあるらしいよ」と聞いて、ガン保険を見直す人もいるでしょう。それがこの、「上皮内ガン」なのですが、一体「上皮内ガン」ってなんなのでしょうか。

上皮内ガンとは、ガンが粘膜の一番上の上皮内にとどまっていて、粘膜の一番下を構成している基底膜がまだ破壊されていない状態をいいます。つまり、初期段階のガンのことです。ガンの"ゼロ期"とも 表現されていて、一般にこの段階で適切な治療が行われた場合、転移の可能性はほとんどないといわれています。

つまり、ごくごく初期のガンです。転移の可能性もほとんどないので、治療もそんなに長引かず、費用もあまりかからないのが普通です。なので、正直、通常の医療保険でも、十分に対応できるものではないかと思います。

私の父の話なのですが、数年前、人間ドッグで大腸ポリープが見つかりました。とても小さいものでしたが、歳も歳だし、ガン化するといけないので、手術して取り除きました。4時間くらいの手術でしたが、術後はすぐ大部屋に入り、2週間くらいで無事退院できました。差額ベッド代も必要とせず、医療費の自己負担は30万円もかからなかったと記憶しています。

ところが、退院してからしばらくして、病院から電話があったのです。
「大腸ポリープと思っていたら、実はガンでした
本人も家族もびっくり。ガンだったなんて!

父はガン保険に入っていました。昔のガン保険でしたので、上皮内ガンだったら対象ではないのですが、申請してみたところ、無事給付金をいただけました。恐らく、上皮内ガンからまた少し進んだ段階だったのでしょう。でも、医者も見た目では診断できなかったくらいのごく初期のガンで、大腸ポリープと同じ医療費しかかかりませんでした。

その後無事5年を経過し、再発も無く、今は落ち着いた生活をしています。もちろん、今後また何かあるといけませんから、いただいた給付金はそのときのために備えておりますが、こういったケースもあるということです。上皮内ガンでも、同様に、治療費がそんなにかからないのではないかと思います。

なので、少し前に契約したガン保険、上皮内ガンは保障されないって書いてあるけど、大丈夫かな、見直したほうが良いかな、と心配している方、医療保険にきちんと加入してあれば、大丈夫ではないかな、と私は思います。それなら、わざわざ見直して高い保険料を払うよりも、上皮内ガンは保障しなくても、その分保険料が安いほうが、私はうれしいですね。

以上、私ががん保険を選ぶ際のポイントを書いてみました。

では、早速どんながん保険があるか見てみましょう。こちらのサイトを利用すると、すごく便利です。

保険モール/各社がん保険の保険料をネット上でリアルタイム検討
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こういう画面が出ますが、入力するのは生年月日と性別のみ。入院給付がいくら欲しいなど、希望がある場合はチェックを入れます。あとは気になる保険会社を選んで検索ボタンをポン!

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一瞬で保険料がわかります!内容の比較も一発。ここから、支払える範囲の保険にチェックを入れて、資料請求するだけです。1度試してみてくださいね。



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2011.07.23 Saturday
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